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代数的整数論 004

1 :132人目の素数さん:2006/11/23(木) 21:57:04
Kummer ◆g2BU0D6YN2氏が代数的整数論を語るスレです。

前スレ
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/

2 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/23(木) 22:03:06
有難う

3 :132人目の素数さん:2006/11/23(木) 22:05:47
最近来たので前スレも全部フォローできてないでつが、
期待しておりまつ(`・ω・´)

4 :132人目の素数さん:2006/11/23(木) 22:12:20
>>1 king氏ね

5 :KingOfUniverse ◆667la1PjK2 :2006/11/23(木) 22:22:01
talk:http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/1000n 何やってんだよ?
talk:>>4 お前に何が分かるというのか?

6 :132人目の素数さん:2006/11/23(木) 22:29:59
>>5 king氏ね

7 :KingOfUniverse ◆667la1PjK2 :2006/11/23(木) 22:37:31
人の脳を読む能力を悪用する奴を潰せ。

8 :132人目の素数さん:2006/11/23(木) 22:40:50

!qni>|



9 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 12:53:10
M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。
簡単のために、この事実を M = [x_1, ..., x_n] と書くことにする。

y_1 = a_(1,1)x_1 + ..., + a_(1,n)x_n
.
.
y_m = a_(m,1)x_1 + ..., + a_(m,n)x_n

を M の元とし y_1, ..., y_m で生成される M の部分群を N とする。
N = <y_1, ..., y_m> と書くことにする。

M/N は有限群とは限らないが、N の自由群としての基底は
前スレ3の989の考えを利用して以下のように求めることが出来る。

10 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 13:00:32
m 個の元 a_(1,n), ..., a_(m,n) の最大公約数を d_n ≧ 0 とする。

d_n = a_(1,n)b_1 + ... + a_(m,n)b_m となる有理整数
b_1, ..., b_n がある。これ等を具体的に求めるには Euclid の
互除法を使えばよい。

z_n = b_1y_1 + ... + b_my_m とおく。

z_n は N の元で x_1, ..., x_n の一次結合であらわしたとき
x_n の係数は d_n である。

d_n = 0 なら a_(1,n) = ... = a_(m,n) = 0 だから
N = <y_1, ..., y_m> ⊂ [x_1, ..., x_(n-1)] である。

d_n ≠ 0 と仮定する。
a_(i,n) = d_n q_i とする。
y_i - q_iz_n の x_n の係数は 0 である。

一方、
N = <y_1, ..., y_m> = <y_1, ..., y_m, z_n>
= <y_1 - q_iz_n, ..., y_m - q_mz_n, z_n>

よって
L = <y_1 - q_iz_n, ..., y_m - q_mz_n> とおくと、
N = L + Z(z_n) である。

L は [x_1, ..., x_(n-1)] に含まれる。
この L と [x_1, ..., x_(n-1)] に上記と同様の手続きを行う。

最終的に、N = <z_1, ..., z_n> となる。
z_1, ..., z_n のなかで 0 となるものを省けば N の基底が得られる。

11 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 16:55:17
2次の代数体を略して2次体と呼ぶ。
前スレ3の759と760より任意の2次体は Q(√m) と一意に書ける。
ここで m は平方因子を持たない有理整数である。

逆に m ≠ 0, 1 が平方因子を持たない有理整数のとき
Q(√m) は2次体である。

今後、特に断らない限り2次体を Q(√m) のように書いたとき m は
平方因子を持たない有理整数とする。

前スレ3の768より2次体 Q(√m) の整数環は Z[ω] = Z + Zω の
形をしている。
ここで m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら ω = √m である。

今後、特に断らない限り Q(√m) の整数環を扱うときは ω は
この意味で使う。

12 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 16:59:03
命題
m ≠ 0 を平方因子を持たない有理整数とする。
2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 に
対して、その剰余環は有限環である。

証明
I の元 α ≠ 0 をとる。α のノルム N(α) = αα' は有理整数
である(前スレ3の927)。
a = N(α) とおく。a ≠ 0 で a ∈ I である。

Z[ω]/aZ[ω] はアーベル群として Z/Za と Zω/Z(aω) の直和と
同型であるから |a|^2 個の元からなる。

Z[ω] ⊃ I ⊃ aZ[ω] だから Z[ω]/I は有限環である。
証明終

13 :132人目の素数さん:2006/11/24(金) 17:05:29
>>12 久しぶりに来たんで最近何を目指してやってんのか教えて

14 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 17:31:51
命題
2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 は
I = [a, b + cω] と一意に書ける(この記法については >>9 参照)。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。

証明
>>12 と 前スレ3の988より I = [a, b' + cω] と書ける。
ここで a > 0, c > 0 である。前スレ3の996より a と c は I により
一意に決まる。
k を任意の有理整数として I = [a, (b' + ka) + cω] となることは
明らかだろう。従って、b ≡ b' (mod a) で 0 ≦ b < a となる b を
とれば、I = [a, b + cω] となる。b は a により一意に決まる。

a は I に含まれる最小の正の有理整数である。
c は x + yω ∈ I で y > 0 となる最小の y である。
aω ∈ I だから a は c で割れる。

m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。

(b + cω)ω = bω + cω^2 = bω + cω - c(1 - m)/4
= (b + c)ω - c(1 - m)/4 ∈ I
よって b + c ≡ 0 (mod c) となる。
よって b ≡ 0 (mod c) となる。

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、
ω = √m であり、 ω^2 = m である。
よって
(b + cω)ω = bω + cω^2 = bω + cm ∈ I
よって b ≡ 0 (mod c) となる。
証明終

15 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 17:41:34
>>13

2次体の整数論を構成的つまり具体的に計算可能な方法でやろうとしている。

例えばイデアル I の生成元 α_1, ..., α_n が与えられたとき、
I を素イデアルの冪積に分解するとか。

類数を計算する方法とか。

そのため2元2次形式論についても述べる予定。

16 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 02:30:40
定義
>>14 における a, b + cω をイデアル I の標準基底と呼ぶ。

17 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 02:36:13
定義
>>14 において c = 1 となるとき、I を原始イデアルと呼ぶ。

18 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 03:04:32
命題
2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 は
原始イデアル J と有理整数 c > 0 の積 I = cJ に一意に書ける。

証明
>>14 において a と b は c で割れるから、
a = ca'
b = cb'
とする。

I = [ca', cb' + cω] = c[a', b' + ω] となる。
J = [a', b' + ω] は (1/c)I に等しいからイデアルである。
よって、a', b' + ω は J の標準基底であり、J は原始イデアルである。

I = cJ と一意に書けることは、標準基底の一意性より明らか。
証明終

19 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 04:06:12
命題
2次体 Q(√m) と a > 0, 0 ≦ b < a となる有理整数 a, b に対して、
N(b + ω) が a で割れれば a, b + ω はあるイデアルの標準基底である。

証明(高木の初等整数論講義)
a と b + ω が Z 上一次独立なのは明らか。
よって [a, b + ω] がイデアルであることを示せばよい。
つまり、aω ∈ [a, b + ω] と (b + ω)ω ∈ [a, b + ω]
を示せばよい。

aω = -ab + a(b + ω) ∈ [a, b + ω] である。

N(b + ω) = ak とする。

つまり (b + ω)(b + ω') = ak である。

Tr(ω) = ω + ω' = s とおく。
s は有理整数である(実際、0 または 1)。

ω' = s - ω より
(b + ω)(b + s - ω) = ak
よって
(b + ω)(b + s) - (b + ω)ω = ak
よって
(b + ω)ω = -ak + (b + ω)(b + s) ∈ [a, b + ω]
証明終

20 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 04:22:07
>>14>>19 は簡単だけど2次体論では基本的。
しかし意外と書いてある本は少ない。

21 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 04:32:57
Milne の online book Algebraic number theory
の後ろに Wyle のいい文章が載っている。

And after the first year [as an undergraduate at Gottingen] I went
home with Hilbert's Zahlbericht under my arm, and during the summer
vacation I worked my way through it—without any previous knowledge
of elementary number theory or Galois theory. These were the happiest
months of my life, whose shine, across years burdened with our common
share of doubt and failure, still comforts my soul.
Hermann Weyl, Bull. Amer. Math. Soc. 50 (1944), 612–654.

22 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 04:35:44
Wyle じゃなくWeyl ね

23 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 05:05:16
2次体 Q(√m) の非零の整数 α_1, ..., α_n が与えられたとき
イデアル I = (α_1, ..., α_n) の標準基底は以下のようにして
求まる。

I = <α_1, ..., α_n, α_1ω, ..., α_nω> である
(この記法については >>9 参照)。

I ⊂ [1, ω] だから I の自由アーベル群としての基底は >>10
方法で求まる。

つまり I = [a, b' + cω] と書ける。
ここで a > 0, c > 0 である。
b ≡ b' (mod a) で 0 ≦ b < a となる b を
とれば、I = [a, b + cω] となる。
a と b が c で割れることは >>14 からわかる。

24 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 05:37:15
定義
I ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整数環のイデアルとする。
>>12 より Z[ω]/I は有限環である。
Z[ω]/I の元の個数を I のノルム(または絶対ノルム)と呼び、
N(I) と書く。

25 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 05:43:48
命題
I = [a, b + cω] をイデアル I の標準基底による表示とすると、
N(I) = ac である。

証明
前スレ3の991より直ちに出る。

26 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 09:43:46
クンマー拡大!

27 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 14:27:36
>20
> >>14>>19 は簡単だけど2次体論では基本的。
> しかし意外と書いてある本は少ない。
Edwin Weiss, "Algebraic Number Theory" には載っている。
但し、この本は強烈に読みにくい。

28 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 15:14:03
>>27

それは読んだことはないがわりと有名な本だよね。
当時(1960年代半ば)、英語で書かれた代数的整数論の本は非常に
少なかったから。

Milne は >>21 で、その本について fussy and pedantic と書いている。

29 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 15:14:55
クンマー拡大!

30 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 15:25:33
>28
> Milne は >>21 で、その本について fussy and pedantic と書いている。
Milneは凄いと思う。
あれだけの内容のノート類を公開しているんだから。
Kummerさんも、早く纏めてね。期待してまっせ。

31 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 15:34:48
ところでこのスレと前スレの内容について私は版権を主張できる
のかな?
まず出来そうもないが。

例えば、このシリーズをまとめて本を出版するってことは出来ない
のだろうか?

32 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 15:38:27
クンマー拡大!

33 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 16:27:27
補題
M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。
つまり、>>9 の記法で M = [x_1, ..., x_n] とする。

y_1 = x_1 + a_2x_2 + ... + a_nx_n とおく。
ここで、a_2, ..., a_n は任意の有理整数。

このとき
[x_1, ..., x_n] = [y_1, x_2, ..., x_n]
である。

証明
y_1, x_2, ..., x_n で生成される M の部分群を N とおく。
つまり >>9 の記法で N = <y_1, x_2, ..., x_n> である。

x_1 = y_1 - (a_2x_2 + ... + a_nx_n) だから
x_1 ∈ N

よって M = N である。
y_1, x_2, ..., x_n が Z 上一次独立なことは明らかだろう。
証明終

34 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 16:43:13
次の補題は >>14 の前に述べたほうがよかった。

補題
a, b, c, e を有理整数とし、a > 0, c > 0 とする
2次体 Q(√m) において
[a, b + cω] = [a, e + cω]
であるためには b ≡ e (mod a) が必要十分である。
ここで両辺は Z[ω] の部分アーベル群であり、必ずしもイデアルで
なくてよい。

証明
[a, b + cω] = [a, e + cω] なら
b + cω - (e + cω) = b - e は [a, b + cω] に含まれる。

a は [a, b + cω] に含まれる最小の正数だから
b ≡ e (mod a) である。

逆は >> 33 よりでる。
証明終

35 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 17:00:47
>>19 の逆も成り立つ。

命題
2次体 Q(√m) において
I= [a, b + ω] がイデアルなら、N(b + ω) は a で割れる。
ここで a, b は有理整数で、a > 0 である。

証明
N(b + ω) = (b + ω)(b + ω') ∈ I であることから明らか。
証明終

36 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 17:11:08
>31
> このスレと前スレの内容について私は版権を主張できるのかな?
> まず出来そうもないが。
自分の書いた部分に著作権は主張できる筈。
版権は、よく判らん。ひろゆきにあるのかな?

37 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 17:20:45
補題
p を奇素数とする。
[p, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるためには

m ≡ 1 (mod 4) なら (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら b^2 ≡ m (mod p)
となることがそれぞれ必要十分である。

証明
>>19>>35 より [p, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod p) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

m ≡ 1 (mod 4) なら
N(b + ω) = N(b + (1 + √m))/2) = N((2b + 1 + √m)/2)
= ((2b + 1)^2 - m)/4

よって ((2b + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod p)
左辺を k とおくと、p は奇素数だから
これは 4k ≡ 0 (mod p) と同値である。
すなわち、(2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら
N(b + ω) = N(b + √m) = b^2 - m
よって b^2 ≡ m (mod p)
証明終

38 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 18:57:14
補題
n を有理整数とする。
n ≡ 1 (mod 4) のとき、
n ≡ 1 (mod 8) または n ≡ 5 (mod 8) である。

証明
n = 4k + 1 とする。
k が偶数なら n ≡ 1 (mod 8)
k が奇数なら n ≡ 5 (mod 8) である。
証明終

39 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 19:19:10
補題
[2, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるための条件を
述べる。
m ≡ 1 (mod 8) のとき、任意の有理整数 b で [2, b + ω] はイデアル
となる。
m ≡ 1 (mod 8) でないなら、つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)
[2, b + ω] はどんな有理整数 b に対してもイデアルにならない。

証明
>>19>>35 より [2, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

m ≡ 1 (mod 4) なら
N(b + ω) = N(b + (1 + √m))/2) = N((2b + 1 + √m)/2)
= ((2b + 1)^2 - m)/4
よって ((2b + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
よって (2b + 1)^2 - m ≡ 0 (mod 8) が必要十分である。

b が偶数なら b = 2k とすると
(4k + 1)^2 - m = 16k^2 + 8k + 1 - m ≡ 0 (mod 8)
よって m ≡ 1 (mod 8)

b が奇数なら b = 2k - 1 とすると
(4k - 1)^2 - m = 16k^2 - 8k + 1 - m ≡ 0 (mod 8)
よって m ≡ 1 (mod 8)

逆に m ≡ 1 (mod 8) なら、b が偶数でも奇数でも
(2b + 1)^2 - m ≡ 0 (mod 8) となる。
証明終

40 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 19:24:58
訂正

>>39
>m ≡ 1 (mod 8) でないなら、つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)

m ≡ 1 (mod 4) かつ m ≡ 1 (mod 8) でないなら、
つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)

41 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 19:34:44
補題
[2, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるための条件を
述べる(>>39 の続き)。
m ≡ 2 (mod 4) なら b ≡ 0 (mod 2)
m ≡ 3 (mod 4) なら b ≡ 1 (mod 2)
が [2, b + ω] がイデアルとなるための必要十分条件である。

証明
>>19>>35 より [2, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

ω = √m だから
N(b + ω) = (b + √m)(b - √m) = b^2 - m ≡ 0 (mod 2)

m ≡ 2 (mod 4) なら m ≡ 0 (mod 2) だから b^2 ≡ 0 (mod 2)
よって b ≡ 0 (mod 2)

m ≡ 3 (mod 4) なら m ≡ 1 (mod 2) だから b^2 ≡ 1 (mod 2)
よって b ≡ 1 (mod 2)
証明終

42 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 19:37:18
人工無能やぶれたり!w

8 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/11/23(木) 22:40:50

!qni>|



43 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 19:58:57
命題
2次体 Q(√m) において非零素イデアル P は pZ[ω] または
[p, b + ω] の形である。ここで p は有理素数、b は有理整数。

証明
P = [p, b + cω] となる(>>14)。
c は p の約数だから c = 1 または c = p である。
c = p なら b は p で割れるから(>>14)、P = [p, pω] となる(>>34)。
よって P = pZ[ω] である。
証明終

44 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 20:15:46
クンマー拡大!

45 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 20:26:15
定義
2次体 Q(√m) において ω の Q 上のモニックな最小多項式を
f(X) とする(前スレ2の927)。
f(X) の判別式を2次体 Q(√m) の判別式と呼ぶ。

46 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 20:30:41
訂正

>>45
>(前スレ2の927)。

>(前スレ3の927)。

47 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 20:37:08
命題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。
ここで、
m ≡ 1 (mod 4) なら P = [p, (m - 1)/2 + ω] = [p, (m + √m)/2]

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら P = [p, ω] = [p, √m]

2) D が p と素で mod p の平方剰余のとき
pZ[ω] = PP' となる。

ここで P, P' は Z[ω] の相異なる素イデアルで
m ≡ 1 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b - 1 + ω]
ここで (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b + ω]
ここで b^2 ≡ m (mod p)

3) D が p と素で mod p の平方非剰余のとき
pZ[ω] は素イデアルである。

証明
前スレ3の957と>>37による。
証明終

48 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 20:46:52
クンマー拡大!

49 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 20:57:09
命題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

1) 2 が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。

m ≡ 2 (mod 4) なら P = [2, ω] = [2, √m]
m ≡ 3 (mod 4) なら P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + √m]

2) m ≡ 1 (mod 8) のとき
2Z[ω] = PP' となる。
ここで P, P' は Z[ω] の相異なる素イデアルで
P = [2, ω] = [2, (1 + √m)/2]
P' = [2, 1 + ω] = [2, 1 + (1 + √m)/2]

3) m ≡ 5 (mod 8) のとき
2Z[ω] は素イデアルである。

証明
前スレ3の958と>>39, >>40, >>41による。
証明終

50 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 21:09:23
>>47>>49 あってるかな?
こういう素イデアルの標準基底まできちんと書いてある本少ないね。
高木もこのへん、ややはしょっている。

51 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 21:13:45
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52 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 22:13:45
前スレ3の751で平方剰余の相互律を証明したが、ここで平方剰余の
第2補充法則を述べる。

λを奇素数とし、Z[η] = Z[η_0, η_1] を (λ - 1)/2 項周期から
構成される円分整数全体のなす環とする(前スレ3の744)。
Q[η] は2次体である。

前スレ3の744より
2Z[η] が Z[η] の相異なる2個の素イデアルの積となるためには
2 が λ を法として平方剰余であることが必要十分である。

2Z[η] が Z[η] の素イデアルであるためには
2 が λ を法として平方非剰余であることが必要十分である。

前スレ3の748より
Q[η] の判別式 D は
λ ≡ 1 (mod 4) のときは D = λ
λ ≡ -1 (mod 4) のときは D = -λ
となる。

>>49 より

1) λ ≡ 1 (mod 4) のとき
λ ≡ 1 (mod 8) なら (2/λ) = 1

λ ≡ 5 (mod 8) なら (2/λ) = -1

2) -λ ≡ 1 (mod 4) のとき
-λ ≡ 1 (mod 8) なら (2/λ) = 1
-λ ≡ 5 (mod 8) なら (2/λ) = -1

53 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 22:24:10
λ ≡ ±1 (mod 8) のとき (λ^2 - 1)/8 は偶数である。
λ ≡ ±5 (mod 8) のとき (λ^2 - 1)/8 は奇数である。
よって >>52 より (2/λ) = (-1)^((λ^2 - 1)/8)
これが平方剰余の第2補充法則である。

54 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 22:33:57
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55 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 22:36:42
>>52 は 前スレ3の751の平方剰余の相互律の証明と本質的には同じである。
2次体はそれを含む円分体により統制されていることが分かるだろう。

これらの証明は非常に美しいし、神秘的だと思う。

56 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 22:42:58
同値類から整数の減法の定義を導きたいのですが、考えてもわかりません。
調べても加法と乗法しか載っておらず困ってます。
初歩的な質問で申し訳ありませんが、わかる方いらっしゃったら教えてください。
よろしくお願いします。


57 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 22:54:12
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58 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 09:40:47
今後、特に断らなければ2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] のイデアルで
0 でないものを単に Q(√m) のイデアルと呼ぶことにする。
したがって、Q(√m) の素イデアルといえば Z[ω] の素イデアルで
0 でないものを意味する。

59 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 09:52:37
定義
2次体 Q(√m) の単位写像でない自己同型を σ とする。
つまり σ(√m) = -√m である。

Q(√m) のイデアル I に対して σ(I) は 明らかに Q(√m) の
イデアルである。
これを I の共役イデアルと呼ぶ。

特に断らない限り I の共役イデアルを I' と書く。

60 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 10:11:32
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

>>47 の 1) より p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となるが
この素イデアル P は自己共役である。つまり P = P' である。

証明
>>47 の 1) より
m ≡ 1 (mod 4) のとき P = [p, (m + √m)/2] である。

P' = [p, (m - √m)/2] -- 共役イデアルの定義(>>59)
= [p, (-m + √m)/2] -- これは (m - √m)/2 に -1 を掛けたもの
= [p, m + (-m + √m)/2] -- m は p の倍数だから >>34 より
= [p, (m + √m)/2]
= P

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら P = [p, √m] である。

P' = [p, -√m] -- 共役イデアルの定義(>>59)
= [p, √m] -- これは -√m に -1 を掛けたもの
= P

証明終

61 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 10:28:39
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

>>47 の 2) より D が p と素で mod p の平方剰余のとき pZ[ω] = PP'
となるが、この P' は P の共役イデアルである。

証明
>>47 の 2) より

m ≡ 1 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b - 1 + ω]
ここで (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

P = [p, b + ω] の共役は
[p, b + ω']
= [p, b + 1 - ω]   -- ω + ω' = 1 を使った
= [p, -b - 1 + ω]   -- b + 1 - ω に -1 を掛けたもの

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b + ω]
ここで b^2 ≡ m (mod p)

P = [p, b + ω] の共役は
[p, b + ω']
= [p, b - ω]   -- ω = √m
= [p, -b + ω]   -- b - ω に -1 を掛けたもの

証明終

62 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 10:39:53
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

>>49 の 1) より
2 が D の約数 のとき 2Z[ω] = P^2 となるが
この素イデアル P は自己共役である。つまり P = P' である。

証明
>>49 の 1) より
m ≡ 2 (mod 4) なら P = [2, ω] = [2, √m]
m ≡ 3 (mod 4) なら P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + √m]

これより >>60 と同様にして確かめればよい。
証明終

63 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 10:47:03
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

>>49 の 2) より m ≡ 1 (mod 8) のとき 2Z[ω] = PP' となるが
となるが、この P' は P の共役イデアルである。

証明
>>47 の 2) より
P = [2, ω] = [2, (1 + √m)/2]
P' = [2, 1 + ω] = [2, 1 + (1 + √m)/2]

P の共役は
[2, (1 - √m)/2]
= [2, (-1 + √m)/2]
= [2, 2 + (-1 + √m)/2]
= [2, 1 + (1 + √m)/2]

証明終

64 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 10:58:21
命題
2次体 Q(√m) において、任意の素イデアル P の共役イデアル P' は
素イデアルであり、PP' = N(P)Z[ω] となる。

証明
P' が素イデアルであることは共役イデアルの定義より明らか。

>>60, >>61, >>62, >>63>>47 の 3), >>49 の 3)
および >>25 よりわかる。

証明終

65 :132人目の素数さん:2006/11/26(日) 11:26:18
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66 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 11:28:26
補題
B を単項イデアル整域とし、t をその素元とする。
B/tB は標数 p の有限体で |B/tB| = p^f = q とする。
r ≧ 1 を任意の整数とする。

|B/(t^r)B| = q^r = p^(fr)

である。

ここで、有限集合 S に対して |S| は S の元の個数を表す。

証明
B のイデアルの列 B ⊃ tB ⊃ ... ⊃ (t^r)B より、
|B/(t^r)B| = |B/tB||tB/(t^2)B|...|(t^(r-1))B/(t^r)B|

一方、前スレ3の896 より、|(t^(i-1))B/(t^i)B| = |B/tB|
|B/(t^r)B| = |B/tB|^r

証明終

67 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 11:41:49
命題
A を Dedekind 整域(前スレ2の601)とし、P をその素イデアルとする。
A/P は標数 p の有限体で |A/P| = p^f = q とする。
r ≧ 1 を任意の整数とする。

|A/P^r| = q^r = p^(fr)

である。

証明
前スレ3の895 より A/P^r は A_P/(P^r)A_P に標準的に同型である。
A_P は離散付値環(前スレ2の585)だから >>66 よりわかる。
証明終

68 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 11:51:41
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の任意の非零イデアル I に対して A/I が
有限環のとき A は有限ノルム性を持つという。

このとき |A/I| を I の絶対ノルムまたは単にノルムと呼び
N(I) と書く。

69 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 11:55:36
補題
A を有限ノルム性(>>68)を持つ Dedekind 整域とする。
I と J を A の非零イデアルで互いに素、
すなわち I + J = A とする。

このとき N(IJ) = N(I)N(J) である。

証明
中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

70 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 12:03:41
命題
A を有限ノルム性(>>68)を持つ Dedekind 整域とする。
I と J を A の任意の非零イデアルとする。

このとき N(IJ) = N(I)N(J) である。

証明
>>67 より A の非零素イデアルにたいして N(P^r) = N(P)^r である。
これと A の任意の非零イデアルが非零素イデアルのべき積に
一意に分解されること(前スレ2の676)、および >>69 よりわかる。

証明終

71 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 12:26:21
命題
2次体 Q(√m) において、任意のイデアル I とその共役イデアル I'
に対して
II' = N(I)Z[ω] となる。

証明
>>64 より素イデアル P に対して PP' = N(P)Z[ω] となる。
よって任意の有理整数 r ≧ 1 に対して、
(P^r)(P')^r = N(P)^rZ[ω] = N(P^r)Z[ω] (>>67より)

これと Q(√m) の任意のイデアルが素イデアルのべき積に
一意に分解されること(前スレ2の676)、および >>70 よりわかる。

証明終

72 :132人目の素数さん:2006/11/26(日) 12:56:51
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73 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 13:41:32
定義
2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] の可逆元を Q(√m) の単数と呼ぶ。

74 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 13:52:47
命題
2次体 Q(√m) の整数 α が単数であるためには
N(α) = 1 または N(α) = -1 となることが必要十分である。

証明
α が単数なら αβ = 1 となる整数 β がある。
N(αβ) = N(α)N(β) = 1 であるが、N(α) と N(β) は有理整数
(前スレ3の927)だから N(α) = 1 または N(α) = -1 である。

逆に N(α) = 1 または N(α) = -1 とする。

N(α) = 1 なら αα' = 1 だから α は単数である。

N(α) = -1 なら αα' = -1 だから α(-α') = 1 となり、
やはり α は単数である。

証明終

75 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 14:05:45
命題
α ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整数とすると
N(αZ[ω]) = |N(α)| である。

ここで右辺は N(α) の絶対値をあらわす。

証明
イデアル αZ[ω] の共役イデアルは α'Z[ω] である。
よって
(αZ[ω])(α'Z[ω]) = αα'Z[ω] = N(α)Z[ω]

一方、>>71 より (αZ[ω])(α'Z[ω]) = N(αZ[ω])Z[ω] となる。

したがって N(α)Z[ω] = N(αZ[ω])Z[ω] である。
よって
N(α) = N(αZ[ω])εとなる整数εがある。
容易にわかるようにεは単数である。

両辺のノルムをとると
N(α)^2 = N(αZ[ω])^2 N(ε) となる。
>>74 より N(ε) = ±1 であるから

N(α)^2 = ±N(αZ[ω])^2 となる。

左辺は正だから N(α)^2 = N(αZ[ω])^2 である。
よって N(α) = ±N(αZ[ω]) である。

N(αZ[ω]) > 0 だから N(αZ[ω]) = |N(α)| である。

証明終

76 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 15:32:43
M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。
N を M の部分群で M/N が有限群となるものとする。

前スレ3の988より N は n 次の自由アーベル群である。
N の基底を y_1, ..., y_n とし、

y_1 = a_(1,1)x_1 + ..., + a_(1,n)x_n
.
.
y_n = a_(n,1)x_1 + ..., + a_(n,n)x_n

とする。

このとき、|M/N| = |det(a_(i,j))| である。

証明は後で行う。

77 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 15:36:59
>>76 の証明

A = (a_(i,j)) を n × n 行列 とする。
X を (x_1, ..., x_n) を縦にしたベクトルとする。
Y を (y_1, ..., y_n) を縦にしたベクトルとする。
Y = AX である。

前スレ3の988 より

N の基底 z_1, ..., z_n で、

z_1 = b_(1, 1) x_1
z_2 = b_(2, 1) x_1 + b_(2, 2) x_2
.
.
z_i = b_(i, 1) x_1 + b_(i, 2) x_2 + ... + b_(i, i) x_i
.
.
z_n = b_(n, 1) x_1 + b_(n, 2) x_2 + ................ + b_(n, n) x_n

となるものがある。
ここで 各 b_(i, i) > 0 である。

前スレ3の991 より |M/N| = b_(1, 1)b_(2, 2)...b_(n, n) である。

B = (b_(i,j)) を n × n 行列 とする。
Z を (z_1, ..., z_n) を縦にしたベクトルとする。
Z = BX である。

(続く)

78 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 15:48:30
>>77 の続き

Y と Z は N の基底だから、
Y = CZ となる有理整数を成分とする行列 C で可逆、つまり
CD と DC が n 次の単位行列となる有理整数を成分とする行列 D が
存在する。det(CD) = det(C)det(D)= 1 だから det(C) = ±1 である。

Z = BX と Y = CZ より Y = CBX となる。
一方、Y = AX だから
AX = CBX となる。
よって A = CB となる。
よって det(CB) = det(A) となる。
よって ±det(B) = det(A) となる。

>>77 より |M/N| = b_(1, 1)b_(2, 2)...b_(n, n) = det(B) だから
|M/N| = |det(A)| である。
証明終

79 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 16:51:31
訂正

>>69
>中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

>中国式剰余定理(前スレ1の341)より明らか。

80 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 20:01:16
>>75 の別証

αZ[ω] = [α, αω] は Z[ω] の部分アーベル群である。
1) α = a + bω
2) αω = c + dω
とする。

この2式の両辺の共役をとると
3) α' = a + bω'
4) α'ω' = c + dω'

α, αω を第1行、
α', α'ω' を第2行に持つ行列の行列式をΔ[α, αω] とする。

同様に 1, ω を第1行、1, ω' を第2行に持つ行列の行列式
をΔ[1, ω] とする。

a, b を第1行
c, d を第2行に持つ行列を A とする

1), 2) ,3) ,4) より
Δ[α, αω] = det(A)Δ[1, ω] となる。

Δ[α, αω] = αα'Δ[1, ω] = N(α)Δ[1, ω]
よって N(α)Δ[1, ω] = det(A)Δ[1, ω]

Δ[1, ω] = ω' - ω ≠ 0 であるから、
N(α) = det(A) となる。
1), 2) と >>76 より N(αZ[ω]) = |det(A)| だから
N(αZ[ω]) = |N(α)| となる。
証明終

81 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 20:45:26
命題
I = [a, r + ω] を2次体 Q(√m) の原始イデアル(>>17) とする。
ここで a > 0 で a = gh, g > 0, h > 0 とする。

このとき、J_1 = [g, r + ω], J_2 = [h, r + ω] はそれぞれ
イデアルで I = (J_1)(J_2) となる。

証明(高木の初等整数論講義)
θ = r + ω とおく。
N(θ) は a で割れる(>>35)から g と h でも割れる。
よって [g, θ] と [h, θ] はイデアルである(>>19)。

(J_1)(J_2) = (gh, gθ, hθ, θ^2) ⊂ I である。

>>25 より N(I) = a = gh = N(J_1)N(J_2) である。
>>70 より N((J_1)(J_2)) = N(J_1)N(J_2) である。
よって I = (J_1)(J_2) である。
証明終

82 :132人目の素数さん:2006/11/26(日) 21:01:10
TeX でまとめなおせば本にもできるだろ。
つか掲示板じゃ見にくすぎる。

83 :132人目の素数さん:2006/11/26(日) 21:15:32
>82
> TeX でまとめなおせば本にもできるだろ。
> つか掲示板じゃ見にくすぎる。
前からそう言ってるんだけどね・・・

84 :132人目の素数さん:2006/11/26(日) 21:22:14
>>82

そうなの?
版権の問題はないのかな。

85 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 22:22:20
>>81 の命題は高木以外では見たことがない。
意外だね。基本的なことなのに。

86 :132人目の素数さん:2006/11/27(月) 11:22:54
>56
此処 ⇒ h ttp://www1.ezbbs.net/19/dslender2/ で聞いてみたら如何かね?
Kummerさんは、整数論の構成に関する持論の展開に忙しいから解答しないよ、多分。

87 :132人目の素数さん:2006/11/27(月) 11:28:13
>>56のような質問じゃ答えようもないよねw

88 :132人目の素数さん:2006/11/27(月) 16:29:04
>>56

>同値類から整数の減法の定義を導きたい
この内容を具体的に表現できれば、質問すれで回答を得られるだろう。


89 :132人目の素数さん:2006/11/27(月) 17:52:55
つうか代数的整数論じゃない。整数論かどうかも怪しい。

90 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/27(月) 21:16:29
>>81 により原始イデアル [a, r + ω] は [p, r + ω] の形の
素イデアルの積に分解される。

91 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/27(月) 21:35:14
2次体 Q(√m) のイデアル I = (α_1, ..., α_n) が
有限個の生成元で与えられたとき、以下に述べるように I を
有限回の手続きで素イデアルの積に分解することが出来る。

I の標準基底は >>23 で述べたように有限回の手続きで求まる。
I = [a, b + cω] を標準基底による表示とすれば >>18 により
I = c[a', b' + ω] となる。

c は有限個(c = 1 のときは 0 個)の素数の積となるから、
cZ[ω] を素イデアルの積に分解するのは >>47>>49 により
有限回の手続きで出来る。

[a', b' + ω] は原始イデアルだから >>90 で述べたように
[p, b' + ω] の形の素イデアルの積に分解される。
つまり、a' を有理整数の範囲で素因数分解すればよい。

92 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/27(月) 22:10:06
問題
Q(√(-5)) において単項イデアル (3 + 5√(-5)) を素イデアルの積に
分解せよ。

答えだけじゃなくて解き方も書くこと。
誰か?

93 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/27(月) 22:25:46
>>92

書き忘れたけど、素イデアルは標準基底で表すこと。

94 :聴講生:2006/11/28(火) 07:49:16
>>92
>>11より、ω=√(-5)とするとQ(√(-5))の整数環はZ[ω]
(3 + 5√(-5)) = <3 + 5√(-5),-25 + 3√(-5)>
>>10の手続きで標準基底を求める。
5と3は互いに素で、5・(-1) + 3・2 = 1 なので、
y_1 = 3 + 5√(-5),y_2 = -25 + 3√(-5),z_2 = -y_1 + 2y_2 とおくと
y_1 - 5z_2 = 268,y_2 - 3z_2 = 134
よって <3 + 5√(-5),-25 + 3√(-5)> = <268,134,81+√(-5)>
                        = [134,81+√(-5)]
これは原始イデアルで、134 = 2・67 だから
[134,81+√(-5)] = [2,81+√(-5)][67,81+√(-5)]


95 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 09:24:25
>>94

ご名答。

蛇足かもしれないが検算してみよう。

N(3 + 5√(-5)) = 9 + 125 = 134 = 2・67 で67 は素数だから
(3 + 5√(-5)) はノルムが 2 と 67 の素イデアルの積となる。

[2,81+√(-5)] = [2,1+√(-5)] で
N(1+√(-5)) = 1 + 5 = 6
これは 2 で割れるから [2,81+√(-5)] はイデアルで(>>19)そのノルムは
2 である。よってこれは素イデアル。

[67,81+√(-5)] = [67,14+√(-5)]
N(14+√(-5)) = 196 + 5 = 201 = 3・67
よってこれも素イデアルでそのノルムは 67。

96 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 15:18:28
次の補題は周知だが後で必要になるので証明しておく。

97 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 15:20:25
補題(多項式のTaylor展開)

A を標数 0 の整域、つまり有理整数環 Z と同型な部分環をもつ
整域とする。
f(X) ∈ A[X] を次数 n ≧ 1 の A 係数の多項式とする。
a を A の任意の元とする。
このとき
f(X + a) = f(a) + f'(a)X + (f''(a)/2)(X^2) + ... (f^(n)(a)/n!)(X^n)

ここで f^(k)(a) は f(X) の k 次の導多項式 f^(k)(X) の
X = a での値である。
各 f^(k)(a)/k! は A の元である。つまり f^(k)(a) は k! で割れる。

証明
f(X + a) = c_0 + c_1X + c_2(X^2) + ... c_n(X^n)
とおく。ここで、c_0, ..., c_n は A の適当な元。

X = 0 を代入すると、
f(a) = c_0 となる。

f'(X + a) = c_1 + 2c_2X + ... nc_n(X^(n-1)) である。
X = 0 を代入すると、
f'(a) = c_1 となる。

f''(X + a) = 2c_2 + ... n(n-1)c_n(X^(n-2)) である。
X = 0 を代入すると、
f''(a) = 2c_2 となる。
A において 2 ≠ 0 で、A は整域だから c_2 は一意に決まり、
c_2 = f''(a)/2 である。

このように順次 c_k を決めていけばよい(正式には帰納法による)。
証明終

98 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 20:39:27
補題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。

ある有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p^n) が根 a を持ち、f'(a) が p で割れないなら、
f(X) ≡ 0 (mod p^(n+1)) は
b ≡ a (mod p^n)
となる根 b を持つ。このような b は mod p^(n+1) で一意に決まる。

証明
f(a) ≡ 0 (mod p^n) だから、f(a) は p^n で割れる。
よって f(a) = (p^n)t となる有理整数 t がある。

>>97 より x を任意の有理整数とすると、
f(a + (p^n)x) ≡ f(a) + f'(a)(p^n)x (mod p^(n+1))
である。

よって
f(a + (p^n)x) = f(a) + f'(a)(p^n)x + (p^(n+1))r
となる有理整数 r がある。

よって
f(a + (p^n)x) = (p^n)(t + f'(a)x + pr)

仮定より f'(a) ≡ 0 (mod p) でないから
x に関する一次合同方程式
t + f'(a)x ≡ 0 (mod p)
は解け、その解 x は mod p で一意に決まる。
b = a + (p^n)x とおけばよい。
証明終

99 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 20:45:39
命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p) が根 a を持ち、f'(a) が p で割れないなら、

任意の有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p^n) が b ≡ a (mod p)
となる根 b を持つ。
このような b は mod p^n で一意に決まる。

証明
>>98 を n = 1 から初めて順次適用すればよい。

100 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 21:50:10
命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。

m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
を m の素因数分解とする。

明らかに f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c は
各 i で f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解でもある。

f(X) ≡ 0 (mod m) の解で mod m で合同なものを同一した集合を
S とする。よって |S| ≦ m である。

各 i に対し f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の 解で mod (p_i)^(k_i)
で合同なものを同一した集合を T_i とする。

f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c に f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解 c を
対応させることにより、S から T_i への写像 φ_i が定まる。
よって S から T = ΠT_i への写像 φ が定まる。
ここで、φ は φ(x) = (φ_1(x), ..., φ_r(x)) で定義される
写像である。

このとき φ は全単射である。

証明
中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

101 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 21:58:42
訂正

>>98
>補題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
>p を有理素数とする。


補題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。

102 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 22:01:19
訂正

>>99
>命題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
>p を有理素数とする。

命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。

103 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 22:05:55
訂正

>>100
>命題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>
>m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
>を m の素因数分解とする。

命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。

m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
を m の素因数分解とする。
f(X) の最高次の係数は各 p_i で割れないとする。
この条件は、特に f(X) がモニックなら満たされることに注意しておく。

104 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/29(水) 20:48:31
任意の有理素数 p が与えられたとき、それをノルムとするイデアルは
>>47>>49 で与えられている。

では、任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと
するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか?
この問題を考えよう。

まずイデアル I に対してそのノルム N(I) は I に含まれることに
注意する。
これは >>25 からもわかるし、Z[ω]/I が位数 N(I) の
アーベル群であることから、任意の整数 α ∈ Z[ω] に対して
N(I)α ∈ I となることからも分かる。
さらに、>>71 からも分かる。

したがって、 有理整数 a ≧ 1 をノルムとするイデアル I は
aZ[ω] を含むが Z[ω]/aZ[ω] は有限環だから、このような
イデアルは有限個である。

a = 1 なら I = Z[ω] だから a > 1 と仮定する。

105 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/30(木) 12:33:15
>>47
>>49 より

2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を素数とする。

1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。

2) D が p と素の場合。
 (a) D が mod p の平方剰余、
  または p = 2 で m ≡ 1 (mod 8) のとき
  pZ[ω] = PP' となる。 P ≠ P' である。

 (b) D が mod p の平方非剰余
  または p = 2 で m ≡ 5 (mod 8) のとき
  pZ[ω] は素イデアルである。

106 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/01(金) 17:14:17
>>105 において、
1) の場合、p は Q(√m) において分岐するという。
2) (a)の場合、p は Q(√m) において完全分解するという。
2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。

高木は、初等整数論講義において、完全分解する素数を第1種、
分解しない素数を第2種、
分岐する素数を第3種と呼んでいる。
我々はこの用語を使わないことにする。

分岐という言葉はリーマン面を複素数球面の被覆と見たときの
分岐点から来ている。
なぜリーマン面かというと、代数体と代数関数体の間に強い類似が
あるから。

107 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/01(金) 17:48:14
1)
p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。

N(P) = N(P') = p である。

p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P'^j) の形である。
ここで i + j = n である。

よってこのようなイデアルは n + 1 個ある。

2)
p が分解しない素数とする。すなわち (p) は素イデアルである。

N((p)) = p^2 だから
p^n をノルムにもつイデアルは (p)^i の形である。
ここで 2i = n である。

よって n が偶数のとき、このようなイデアルはただ 1 個である。
n が奇数のとき、このようなイデアルは存在しない。

3)
p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。

N(P) = p だから
p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。
よってこのようなイデアルはただ 1 個である。

(高木の初等整数論講義)

108 :132人目の素数さん:2006/12/01(金) 21:43:10
>106
> >>105 において、
> 2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。
単なる茶々かもしれないが、英語では"inert"と言った筈。
(とは言っても直訳して"惰性的"、というのもセンスがないか…)

109 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/01(金) 22:56:46
>>108

inert というのは Cohen の
A course in computational algebraic number thery
という長い題名の本で初めて知った。
これは英語でもそれほど流通していないのではないかな。

因みにこの本はいいね。今まで類書がほとんどなかったので貴重。
このスレでも参考にするつもり。
ただアルゴリズムの説明がプログラム作成
を前提としているので分かりにくい。

Neukirch の日本語訳の代数的整数論では不分解という言葉を
使っている。

110 :132人目の素数さん:2006/12/01(金) 23:01:17
横浜のヤクザ林一家林組は、経営しているカラオケ屋バンガーローハウス中華街店で、
カラオケをしている時に機械を使い脳に電波ではいり、人をもて遊んでいる
だれにもばれないとおもってやりたい放題。そして気づかれないように思考盗聴、自殺、突然死、、マインドコントロール、誰かをずっと好きにさせるなど。
痛みやいやがらせや声を聞かせることもできる。

111 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 00:48:00
今度は素数べき p^n をノルムにもつ原始イデアルを求めよう。

1)
p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。

PP' = (p) は原始イデアルではないから、
(P^i)(P'^j) の形のイデアルで原始イデアルであるのは
i = 0 または j = 0 の場合のみである。

よって、p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは P^n か P'^n である。
よってこのようなイデアルは2個ある。

2)
p が分解しない素数とする。

p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは 2i = n として (p)^i であるが、
これは原始イデアルではない。

3)
p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。

p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形であるが、
n ≧ 2 のときは P^n ⊂ P^2 ⊂ (p) となり、
P^n は原始イデアルではない。

n = 1 の場合は原始イデアルである。

112 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 01:02:45
有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとするイデアルの個数を
Φ(k)と書こう。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
ここで p は a の相異なる素因子 を動く。
このときΦ(a) = ΠΦ(p^n) となることは明らかだろう。

>>107 により各 Φ(p^n) は求まっているから、Φ(a) も求まる。

>>107 より p が分解しない素数の場合、
p の指数 n が奇数なら、Φ(p^n) = 0 である。
よって Φ(a) = 0 であことに注意しておく。

a をノルムとする各イデアルを素イデアルの積と表す方法も
明らかだろう。

113 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 02:25:45
>>111 の 1) 即ち p が完全分解する素数で、(p) = PP' のとき
任意の有理整数 n ≧ 1 に対して P^n が原始イデアルであることを
示そう。

P^n が原始イデアルでないとすると 、P^n ⊂ (q) となる素数 q がある。
よって N(P^n) = p^n は q で割れる。よって p = q である。
よって P^n ⊂ (p) = PP' となり、P^n ⊂ P' である。
P' は素イデアルだから P ⊂ P' したがって P = P' となり、
P ≠ P' に矛盾する。

114 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 09:42:57
補題
2次体 Q(√m) において P と L が素イデアルで P^r と L^s が
原始イデアルとする。ここで r, s ≧ 1 である。
N(P) と N(L) が素なら (P^r)(L^s) も原始イデアルである。

証明
(P^r)(L^s) が原始イデアルでないとすると 、(P^r)(L^s) ⊂ (q) となる
素数 q がある。
N(P) と N(L) が素だから (q) の素イデアル分解を考えることにより
P^r ⊂ (q) または L^s ⊂ (q) となることがわかる。
これは矛盾である。
証明終

115 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 10:05:42
有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとする原始イデアルの個数を
Ψ(k)と書こう。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
ここで p は a の相異なる素因子 を動く。
このとき >>111>>114 より Ψ(a) = ΠΨ(p^n) となる。

>>111(>>113 も参照) により各 Ψ(p^n) は求まっているから
Ψ(a) も求まる。

a をノルムとする各原始イデアルを素イデアルの積と表す方法も
明らかだろう。

116 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 10:40:10
>>112 により与えられた有理整数 a > 1 をノルムとする各イデアルを
素イデアルの積という形で求めることが出来た。
このイデアルの標準基底を求めることを考えよう。

任意のイデアルは有理整数と原始イデアルの積である(>>18)。
a = N(I) として、 I = cJ とする。ここで c は有理整数 c ≧ 1 で
J は原始イデアルである。
このとき a = (c^2)N(J) となる。

従って a をノルムとするイデアルの標準基底を求めるには、
a を任意の平方数 c^2 で割り、a = (c^2)k としたとき、
k をノルムとする原始イデアルの標準基底を求めればよい。

よって、問題は原始イデアルの場合に帰着する。

さらに、この問題は >>111>>114 より以下の二つの問題に帰着する。

1) I と J が原始イデアルで、N(I) と N(J) が素とする。
それぞれその標準基底から IJ の標準基底を求めよ。

2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
P^n の標準基底を求めよ。

117 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 11:03:16
訂正

>>116
>2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
>n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
>P^n の標準基底を求めよ。

2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
P^n の標準基底を求めよ。

118 :132人目の素数さん:2006/12/02(土) 12:04:29
>109
> inert というのは(中略)
> 英語でもそれほど流通していないのではないかな。
そうでもない。例えば
"Algebraic Number Theory"           Frohlich、Taylor
"Algebraic Numbers and Algebraic Functions"  P. M. Cohn
"An Introductions to Rings and Modules"    Berrick, Keating
ま、名前より内容の方が大事なんだけどね。

> Cohen の A course in computational algebraic number thery
> (中略)はいいね。
確か、続編もあった筈。
似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。

119 :132人目の素数さん:2006/12/02(土) 12:36:02
恐れ入りました

120 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 13:24:29
>>118
>確か、続編もあった筈。
>似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。

続編も持ってる。
これは相対代数体を扱ってる。
類体の構成もやってるんで面白そう。
まだ読んでないが。

しかしCohenは円分体の類数計算を扱ってないのが不思議。

Pohst, ZassenhausはCohenの前に出たもの。
Cohenと重なる部分が多そうなんで持ってない。

121 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 14:41:27
命題(高木の初等整数論講義)
I = [a, r + ω] と J = [b, s + ω] を原始イデアルの標準基底での
表示とする。
a と b が素なら IJ = [ab, t + ω] である。

ここで t は連立合同方程式
t ≡ r (mod a)
t ≡ s (mod b)
の解である。

証明
>>34 より
I = [a, t + ω]
J = [b, t + ω]

N(t + ω) ∈ I だから N(t + ω) は a で割れる。
N(t + ω) ∈ J だから N(t + ω) は b で割れる。

a と b は素だから N(t + ω) は ab で割れる。

よって >>19 より [ab, t + ω] はイデアルである。
>>81 より [ab, t + ω] = [a, t + ω][b, t + ω] である。
証明終

122 :132人目の素数さん:2006/12/02(土) 14:44:01
1

123 :132人目の素数さん:2006/12/02(土) 15:36:22
さすが高木というかこのあたりを書いた本は非常に少ないのでは
ないかな。こちらもそんなに多く読んだわけではないので
はっきりは分からないが。

一般的に、構成的な方法で代数的整数論を展開するのは現代では
まれだよね。近現代ではと言ったほうがいいかな。
最近では構成的な方法はコンピュータや暗号との関係で見直されている。
歴史は繰り返すってやつだね。
昔の数学は構成的なのが多かった。
例えば、消去法なんてのもそうだし。
前に触れた不変式論もそう。
これ等は最近(といっても20、30年ほど前からだが)
見直されてきている。

124 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 10:40:03
補題
2次体 Q(√m) において
p が完全分解(>>106)する奇素数で p = PP' とする。
P = [p, b + ω] とする。

n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、
P^n = [p^n, r + ω] となる。

ここで r ≡ b (mod p) であり、さらに

m ≡ 1 (mod 4) なら
(2r + 1)^2 ≡ m (mod p^n)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら
r^2 ≡ m (mod p^n)

証明
>>113 より P^n は原始イデアルである。
N(P^n) = p^n だから
適当な r により P^n = [p^n, r + ω] と書ける。

r + ω ∈ [p, b + ω] だから
r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [p, b + ω] となり、
r ≡ b (mod p) である。

残りは >>37 の証明と同様である。
証明終

125 :132人目の素数さん:2006/12/03(日) 13:04:04
補題
2次体 Q(√m) において
2 が完全分解(>>106)し 2 = PP' とする。
このとき m ≡ 1 (mod 8) である(>>49)。

P = [2, b + ω] とする。ここで b = 0 または 1 である。

n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、
P^n = [2^n, r + ω] となる。

ここで r ≡ b (mod 2) であり、さらに
(2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n+2))
である。

証明
>>113 より P^n は原始イデアルである。
N(P^n) = 2^n だから
適当な r により P^n = [2^n, r + ω] と書ける。

r + ω ∈ [2, b + ω] だから
r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [2, b + ω] となり、
r ≡ b (mod 2) である。

m ≡ 1 (mod 8) だから
N(r + ω) = N(r + (1 + √m))/2) = N((2r + 1 + √m)/2)
= ((2r + 1)^2 - m)/4
よって ((2r + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2^n)
よって (2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n + 2) となる。
証明終

126 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 13:09:00
>>124 の r は >>98 を n = 1 から初めて順次適用すれば求まる。


127 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 13:33:44
補題
a を有理整数で a ≡ 1 (mod 8) とする。
n ≧ 3 とし
x^2 ≡ a (mod 2^n) の根の一つを b とする。

このとき b + 2^n または b + 2^(n-1) のどちらか一方は
x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1) の根である。

証明
b^2 = a + (2^n)t とする。

(b + 2^n)^2 = b^2 + 2^(n+1)b + 2^(2n)
= a + (2^n)t + 2^(n+1)b + 2^(2n) ≡ a + (2^n)t (mod 2^(n+1))

よって t が偶数なら
b + 2^n が x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。

次に t が奇数の場合を考える。
n ≧ 3 だから 2n - 2 ≧ n + 1 である。
さらに b は奇数である。

よって
(b + 2^(n-1))^2 = b^2 + (2^n)b + 2^(2n-2)
≡ a + (2^n)t + (2^n) (mod 2^(n+1))
≡ a + (2^n)(t + 1) (mod 2^(n+1))

よって t が奇数なら b + 2^(n-1) が
x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。
証明終

128 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 13:36:53
>>125 の r は >>127 を順次適用すれば求まる。


129 :132人目の素数さん:2006/12/03(日) 14:17:54
くんまー拡大!

130 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 14:25:51
>>104 で提出した問題、
任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと
するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか?

は以上で解決したとみていいだろう。

131 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 18:11:51
問題
Q(√(-5)) において、ノルムが10以下のイデアルの標準基底と
その素イデアル分解を求めよ。素イデアル分解に現れる素イデアルも
標準基底で表すこと。
答えだけでいい。
だれか?


ノルム4のイデアル
[2, 2√(-5)] = [2, 1 + √(-5)]^2

132 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/04(月) 13:52:03
>>131 へのヒントもこめて、以下に今までのまとめを述べる。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
a をノルムとするイデアルを素イデアルの積と表す方法
>>107>>112 による。
>>107 において
1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。
p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P'^j) の形である。
ここで i + j = n である。

この場合 P^i と (P')^j を標準基底で表す方法は >>124, >>126,
>>125, >>127 による。

P^i と (P')^j はともに原始イデアルである。

2) p が分解しない素数とする。
p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは n が偶数なら 2i = n として
(p)^i である。

n が奇数なら p^n をノルムにもつイデアルはない。

3) p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。
p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。
n = 2k + r とする。ここで r = 0 または 1 である。
P^n = (p^k)P^r となる。

r = 0 のときは P^n = P^(2k) = (p)^k である。
r = 1 のとき、P^n = (p^k)P であるが、P の標準基底 [p, b + ω] は
>>47>>49 で求まっている。
(続く)

133 :132人目の素数さん:2006/12/04(月) 17:25:36
2

134 :132人目の素数さん:2006/12/04(月) 17:26:37
1

135 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/04(月) 20:03:40
>>132 の 1) の補足

1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。
p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P')^j の形である。
ここで i + j = n である。

i ≦ j のとき (P^i)(P')^j = (P^i)(P')^i(P')^(j-i)
= (p^i)(P')^(j-i)
である。

同様に、
j ≦ i のとき (P^i)(P')^j = (P^j)(P')^j(P)^(i-j)
= (p^j)(P)^(i-j)
である。

いずれにしても (p^k) の形のイデアルと原始イデアルの積になる。

136 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/04(月) 20:20:49
>>132>>135 より a = Πp^n をノルムとするイデアル I は
(n)ΠI_p の形になる。

ここで n はある有理整数であり、 I_p は原始イデアルで、
そのノルムは p のべきである。

>>121 より ΠI_p は原始イデアルあり、その標準基底も求まる。

ΠI_p = [s, r + ω] とすれば
I = (n)[s, r + ω] = [ns, nr + nω] となる。
これが a をノルムとするイデアル I の標準基底による表示である。

137 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/04(月) 20:25:07
>>136

ΠI_p は Π(I_p) と書いたほうが見やすかった。

138 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/04(月) 20:40:52
>>132, >>135, >>136 より >>131 の問題は機械的に解けるはず。
誰か?

139 :132人目の素数さん:2006/12/05(火) 12:26:44
>>131 は難しいのかな?

140 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/05(火) 17:28:07
わかるところだけでいいけど
誰か?

141 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/05(火) 17:32:40
このスレで分からないところがあったらどんどん質問してください。

142 :聴講生:2006/12/05(火) 18:18:22
今見ました。今からバイトなのでもうちょっと待って頂けると嬉しいかも。

143 :聴講生:2006/12/06(水) 01:00:11
>>131
ノルムが1→[1, √(-5)]
ノルムが2→P_2 = [2, 1 + √(-5)]
ノルムが3→P_3 = [3, 1 + √(-5)],P'_3 = [3, -1 + √(-5)]
ノルムが4は例の通り
ノルムが5→P_5 = [5, √(-5)]
ノルムが6→[6, 1 + √(-5)] = (P_2)(P_3),[6, -1 + √(-5)] = (P_2)(P'_3)
ノルムが7→[7, 3 + √(-5)],[7, -3 + √(-5)]
ノルムが8→[4, 2 + 2√(-5)] = (P_2)^3
ノルムが9→[9, -2 + √(-5)] = (P_3)^2,[9, 2 + √(-5)] = (P'_3)^2,
        [3, 3√(-5)] = (P_3)(P'_3)
ノルムが10→「10, 5 + √(-5)] = (P_2)(P_5)

144 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/06(水) 12:04:59
>>143

有難うございます。
正解です。

145 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/06(水) 12:50:26
問題
Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアル
ないことを証明せよ。

146 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/06(水) 12:54:08
訂正

>>145

Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアルで
ないことを証明せよ。

147 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/06(水) 17:37:59
問題
Dedekind 整域が一意分解整域であれば単項イデアル整域である。
これを証明せよ。

148 :聴講生:2006/12/07(木) 00:21:38
>>146
[2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、
これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される
単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2
しかし此れを充たす整数 a, b は存在しないので
[2, 1 + √(-5)] は単項イデアルでない。

>>147
任意の素イデアルが単項イデアルであることを示せば充分。
ある素イデアルの生成元の一つを x とし、
x = (x_1)・・・(x_n), x_i は素元
を x の素元分解とすると、x_1〜x_n の少なくとも一つは
その素イデアルに含まれるので、素イデアルは素元で生成される。
素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、
もとの素イデアルは単項イデアルとなる。

149 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/07(木) 09:18:50
>>148

有難うございます。
正解です。

他の人のために補足します。

>[2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、
>これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される
>単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2

これは N(a + b√(-5)) = a^2 + 5b^2 と >>75 を使っています。

>素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、
>もとの素イデアルは単項イデアルとなる。

ここでは、Dedekind 整域では 0 でない素イデアルは極大なので
これ等の素イデアルの間には真の包含関係がないことを使っています。

さらに、Dedekind 整域では任意の 0 でないイデアルは素イデアルの
積となるので、単項イデアルの積としてやはり単項イデアルとなります。

150 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 11:18:40
>>146>>147 より Q(√(-5)) は一意分解整域でないことがわかる。

Q(√(-5)) は一意分解整域でない整域のもっとも身近な例として
有名であり、ほとんどの代数学の教科書に書いてある。
しかし、その証明はここに述べたものよりやや天下り的なものが多い。

151 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 12:04:56
>>146 より Q(√(-5)) の素イデアルは必ずしも単項ではない。
では、どのような素イデアルが単項なのか?
この問題は自然だし興味がもてるだろう。

素イデアル P のノルムは p または p^2 である。
ここで p は有理素数。

N(P) = p^2 のときは P = (p) であり、P は単項である。
よって N(P) = p となる場合のみ考えればよい。
この場合、P が単項であるためには >>148 と同様にして
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在することが
必要十分であることがわかる。

まず p が分岐する素数、つまり p = 2 または p = 5 の場合を考える。
p = 2 のときは >>148 より N(P) = 2 となる素イデアルは
存在しない。
p = 5 のときは、5 = a^2 + 5(b^2) を満たすのは a = 0, b = ±1 のとき
だけである。よって N(P) = 5 となる素イデアルは (√(-5)) のみである。

残るのは p が完全分解する素数の場合だけである。

152 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 13:50:05
問題
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するような素数 p で
100 以下のものを全て求めよ。

153 :132人目の素数さん:2006/12/09(土) 14:11:35
>>152
(a,b) p
(0,1) 5, (2,3) 29, (1,6)41, (3,4) 61, (4,3) 89
ただ計算しました。

154 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 14:31:13
>>153

正解です。
計算方法を書いておきます。

a^2 + 5(b^2) ≦ 100 より 5(b^2) ≦ 100 となり b^2 ≦ 20
よって b ≦ 4 となる。
b = 0 のとき a^2 は素数でないから b = 0 は除外する。
すると、a^2 + 5 ≦ 100 より a^2 ≦ 95 よって a ≦ 9

0 ≦ a ≦ 9
1 ≦ b ≦ 4
のとき (a, b) = a^2 + 5(b^2)の値を計算した結果を以下に書く。
数字の横に * が付いてるのはそれが素数であることを示している。

155 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 14:32:09
(0, 1) = 5*
(0, 2) = 20
(0, 3) = 45
(0, 4) = 80
(1, 1) = 6
(1, 2) = 21
(1, 3) = 46
(1, 4) = 81
(2, 1) = 9
(2, 2) = 24
(2, 3) = 49
(2, 4) = 84
(3, 1) = 14
(3, 2) = 29*
(3, 3) = 54
(3, 4) = 89*

続く

156 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 14:33:10
(4, 1) = 21
(4, 2) = 36
(4, 3) = 61*
(4, 4) = 96
(5, 1) = 30
(5, 2) = 45
(5, 3) = 70
(5, 4) = 105
(6, 1) = 41*
(6, 2) = 56
(6, 3) = 81
(6, 4) = 116
(7, 1) = 54
(7, 2) = 69
(7, 3) = 94
(7, 4) = 129
(8, 1) = 69
(8, 2) = 84
(8, 3) = 109*
(9, 1) = 86

157 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 14:43:39
>>153

今、いま気付いたけど、a と b が一部反対になっています。

158 :132人目の素数さん:2006/12/09(土) 14:59:44
p=(a+1)^2+5a^2,a^2+5(a+1)^2


159 :132人目の素数さん:2006/12/09(土) 15:00:44
p=5b^2 mod a
=a^2 mod b

160 :132人目の素数さん:2006/12/09(土) 15:11:24
何か高校数学で出てきそうな問題ですね。
敢えて難しい定理を用いて解けという出題意図なのかと思った。

161 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:18:02
p を Q(√(-5)) で完全分解(>>106)する素数とする。
p ≠ 5 である。

p = a^2 + 5(b^2) が有理整数解 (a, b) をもつための条件を求める。

まず
a^2 ≡ p (mod 5)
つまり Legendre の記号(前スレ3の746)を使えば
(p/5) = 1 である。

1^2 ≡ 1 (mod 5)
2^2 ≡ 4 (mod 5)
3^2 ≡ 4 (mod 5)
4^2 ≡ 1 (mod 5)
だから

p ≡ 1 (mod 5)
または
p ≡ 4 (mod 5)
である。

162 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:28:53
一方 p は Q(√(-5)) で完全分解(>>106)するから、 >>105 より
(-5/p) = 1 である。

(-5/p) = (-1/p)(5/p)
であり、
平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より
(5/p)(p/5) = 1 である。

>>161 より (p/5) = 1 だったから (5/p) = 1
よって (-1/p) = 1 である。

(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから
(p-1)/2 は偶数である。
よって p ≡ 1 (mod 4) となる。

>>161
p ≡ 1 (mod 5)
または
p ≡ 4 (mod 5)
と組み合わせて

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)
である。

163 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:33:32
>>162
>(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから

これは平方剰余の第一補充法則と呼ばれている。

前スレ3の747の
4) (a/p) ≡ a^{(p - 1)/2} (mod p)
から直ちにでる。

164 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:38:37
>>160

簡単な計算ですが、こういう計算が初等整数論では重要な場合あります。

165 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:41:33
>>161
>p ≠ 5 である。

p ≠ 2 でもあることに注意しておく。

166 :132人目の素数さん:2006/12/09(土) 15:49:04
p=a^2+b^2 mod 4
=a^2-b^2 mod 6

167 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:50:48
>>162 の結果

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)

を満たす 100 以下の素数を求めてみよう。

100以下の整数 ≧ 1 で 20k + 1 の形のものは

21, 41, 61, 81

20k + 9 の形のものは

29, 49, 69, 89

これ等のなかで素数なのは
29, 41, 61, 89

これは >>153 と 5 を除いて一致する。

168 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 16:57:51
>>167 から次の予想をするには支持データ数が足りないだろう。
しかし、この予想は正しいことを後で証明する。

予想
p を 5 以外の有理素数とする。
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するためには、

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)

が必要十分である。

169 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:02:14
命題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
I, J を A の分数イデアル(前スレ2の677) とし、
IJ = A とする。ここで IJ は集合 { xy; x ∈ I, y ∈ J } で生成される
K の A-部分加群である。
このとき J = { x ∈ K; xI ⊂ A } である。

証明
L = { x ∈ K; xI ⊂ A } とおく。

IJ = A だから J ⊂ L である。
よって IJ ⊂ IL である。

L の定義より IL ⊂ A だから IJ ⊂ IL ⊂ A となる。

IJ = A より IL = A となる。

IL = A の両辺に J を掛けて JIL = J
JIL = (IJ)L = L だから L = J
証明終

170 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:09:57
証明からわかるように >>169 の命題の仮定で A は Dedekind 整域で
ある必要はなかった。

171 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:17:11
問題
A を Dedekind 整域とする。
P ≠ 0 を A の素イデアルで a ≠ 0 を P の元とする。
このとき (a) = PI となるイデアル I がある。

172 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:24:57
問題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
P ≠ 0 を A の素イデアルとし、P^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A }
とおく。
P^(-1) は A の分数イデアルで PP^(-1) = A である。

173 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:26:53
問題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとし、I^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A }
とおく。
I^(-1) は A の分数イデアルで II^(-1) = A である。

174 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:31:31
問題
>>173 において I は A の分数イデアルとしてもよい。

175 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:32:01
問題
A を Dedekind 整域とする。
I ≠ 0 と J ≠ 0 を A のイデアルとし、I ⊂ J とする。
このとき I = JL となるイデアル L がある。

176 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:35:15
命題
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる。

証明
>>174 より明らか。

177 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:40:01
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる(>>176)。
この群を A のイデアル群と呼び I(A) と書く。

178 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:43:57
定義
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
K の元 x ≠ 0 に対して xA は分数イデアルである。
この形の分数イデアルを単項分数イデアルまたは主分数イデアルと
呼ぶ。

179 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:46:12
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の主分数イデアル(>>178)全体は乗法に関して群になる。
この群を A の主イデアル群と呼び P(A) と書く。

180 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:49:51
定義
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアル群 I(A) を主イデアル群 P(A) で割った剰余群 I(A)/P(A)
をA のイデアル類群と呼び Cl(A) と書く。

181 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:57:13
A を Dedekind 整域とする。
前スレ2の 541 よりイデアル類群 Cl(A) は標準的に A の Picard 群
Pic(A) に同型であることを注意しておく。

182 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:27:17
問題
A を Dedekind 整域とする。
A の任意の分数イデアルは I/J の形に書ける。ここで I, J は
A のイデアルで I/J は I(J^(-1)) を表す。

183 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:32:29
問題
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。
ここで I, J は A のイデアルである。
このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

184 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:35:12
訂正

>>183
>このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

このとき N(I)/N(J) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

185 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:39:49
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。
ここで I, J は A のイデアルである。
>>182 よりこのようなイデアルは存在する。
>>183 より N(I)/N(J) は M = I/J となる I, J の取り方によらない。
N(I)/N(J) を M のノルムと呼び N(M) と書く。

明らかに、この定義は M がイデアルのときのノルムの拡張になっている。

186 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:48:05
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアルのことを A の分数イデアルと区別して整イデアル
ともいう。
しかし、このスレでは通常、単にイデアルと呼ぶことにする。

定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。

187 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:52:57
2次体 Q(√m) においては、誤解のない限り、Q(√m) の整数環 Z[ω] の
分数イデアルのことを Q(√m) の分数イデアルとも言う。

188 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:09:53
問題
2次体 Q(√m) のイデアル I ≠ 0 に対して、I^(-1) = [r, s + tω] と
書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。
I を標準基底 [a, b + cω] で表したとき、r, s, t を a, b, c から
求めよ。

189 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:13:47
問題
2次体 Q(√m) の任意の分数イデアル M は M = [r, s + tω] と
書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。

190 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:17:13
問題
2次体 Q(√m) の分数イデアル M を M = [r, s + tω] と
表したとき、N(M) = rt であることを証明せよ。
ここで r, s, t は適当な有理数である。

191 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:20:17
問題
2次体 Q(√m) の分数イデアル L, M に対して、
N(LM) = N(L)N(M) となることを証明せよ。

192 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:22:02
訂正

>>186
>定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。

定義(前スレ2の677)から0でないイデアルは、分数イデアルでもある。

193 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:44:30
定義
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアル類群(>>180) Cl(A) = I(A)/P(A) の各剰余類を A の
イデアル類と呼ぶ。

A が2次体 Q(√m) の整数環のとき、誤解の恐れがない限り
A のイデアル類を Q(√m) のイデアル類と呼ぶ。

194 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:51:58
問題(高木の初等整数論)

2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] が
同じイデアル類に属すとする。すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m)
があるとする。
このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

195 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:58:11
問題(高木の初等整数論)
以下のように >>194 の逆が成り立つ。

2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] に
対して、θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおく。

θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

このとき ρ = rψ' + s とおくと I = ρJ となる。
さらに N(ρ) = ±(a/k) である。

196 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 01:55:54
(a, b)/(c, d) は第一行が a, b で第2行が c, d である
2次の正方行列を表すことにする。

C を複素数体とし、GL_2(C) を C 上の2次の正則行列のなす群とする。
つまり C の元を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc ≠ 0 となるもの全体のなす群である。

GL_2(C) は C ∪ {∞} に一次分数変換として作用する。

g = (a, b)/(c, d) で z ∈ C ∪ {∞} のとき
g(z) = (az + b)/(cz + d) である。
ただし、c ≠ 0 のとき
g(∞) = lim [z → ∞] (az + b)/(cz + d) = a/c とする。
c = 0 のとき g(∞) = lim [z → ∞] (az + b)/d = ∞ とする。

SL_2(R) を実数体の元を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc = 1 となるもの全体のなす群とする。

同様に SL_2(Z) を有理整数を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc = 1 となるもの全体のなす群とする。

197 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 02:00:58
モジュラー

198 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 02:07:27
問題
SL_2(R) の元 g = (a, b)/(c, d) と z ∈ C に対して
g(z) = (az + b)/(cz + d) とおく。
ただし、cz + d ≠ 0 とする。
このとき Im(g(z)) = Im(z)/|cz + d|^2 である。

199 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 02:40:49
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

>>198 より SL_2(R) は H に作用する。

問題
g ∈ SL_2(R) で g(z) = z となる z ∈ H が3個以上あれば、
g = ±1 である。

200 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 02:51:55
>>199 より PSL_2(R) = SL_2(R)/{±1} は H に忠実に作用する。
SL_2(Z)/{±1} をモジュラー群と呼ぶ。

201 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 08:37:25
ガイシュツかも知れんが…

pが奇素数のとき 次の不等式を示せ.
 Σ[r=1,p-1] { (r^2)/p - [r^2/p] } = (p-1)/2,  (p≡1 (mod 4))
 Σ[r=1,p-1] { (r^2)/p - [r^2/p] } < (p-1)/2,  (p≡3 (mod 4))
 ( [x] は Gaussの記号 )

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1835554&tid=bdpbja1jiteybc0a1k&sid=1835554&mid=603
出題(不等式)

202 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:11:48
問題
SL_2(R) の任意の元の固有方程式は以下の3種類である。

1) (X - 1)^2 = X^2 -2x + 1

2) (X + 1)^2 = X^2 +2x + 1

3) (X - λ)(X - 1/λ) ここで λ ≠ ±1

203 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:24:46
問題
>>202 の 3) のタイプの行列 g は、さらに二つのタイプに分けられる。

a) λ は実数

この場合 |Tr(g)| > 2 である。

b) λ は実数でない
この場合 |λ| = 1 であり、|Tr(g)| < 2 である。

204 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:30:47
定義
SL_2(R) の元 g は

|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

205 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:39:49
ここで、線形代数の復習をしよう。

問題
K を代数的閉体とする。
K の元を成分とする n 次の正方行列 A は三角行列に相似である。
つまり、n 次の正則行列 P があり PAP^(-1) が三角行列になる。

206 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 12:44:08
>>kummerさん
もしかして保形関数(保形型式)の話しをやるのですか?

207 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:47:30
問題
K を代数的閉体とする。
A を K の元を成分とする n 次の正方行列とする。
A の固有多項式を (X - λ_1)... (X - λ_n) とする。
ここで, λ_1, ... λ_n の中に同じものがあってもよい。

f(X) を K の元を係数とする次数1以上の多項式とする。
このとき f(A) の固有多項式は (X - f(λ_1))... (X - f(λ_n))
である。

208 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:51:44
>>206

今はしないです。後でするかもしれないですが。
ここではモジュラー群の基本事項をやるだけです。

209 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 13:12:05
問題
K を代数的閉体とする。
A を K の元を成分とする n 次の正方行列とする。
A がべき零、つまり A^m = 0 となる有理整数 m ≧ 1 があるためには
A の固有値がすべて0であることが必要十分である。
さらに、このとき A^n = 0 となる。

210 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 14:40:15
訂正

>>204
>定義
>SL_2(R) の元 g は
>
>|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
>|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
>|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

定義
SL_2(R) の元 g, g ≠ ±1 は

|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

211 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 15:37:08
問題
g ≠ ±1 を SL_2(R) の元とする。
g^m = 1 となる有理整数 m > 1 があるためには
g の固有値 λ がすべて λ^m = 1 かつ λ ≠ ±1 を満たすことが
必要十分である。

212 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 15:40:57
万一、命題の証明や問題が間違っていた場合は、それを指摘することも
演習とするw

こちらも間違えることは当然ある。

213 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:16:11
問題
>>198 より SL_2(R) は複素上半平面 H に作用するが、この作用は
推移的である。つまり、H の任意の2点 z, w に対して w = g(z)
となる g ∈ SL_2(R) がある。

214 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:25:38
問題
SL_2(R) の複素上半平面 H への作用(>>198)において、虚数単位 i の
安定化部分群 { g ∈ SL_2(R) ; g(i) = i } は
特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。
ここで g^t は g の転置行列である。

215 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:29:31
問題
g ∈ SL_2(R) で g(z) = z となる z ∈ H が1個以上あれば、
g = ±1 か g は楕円型(>>210)である。

216 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:35:55
問題
SL_2(R) の位数有限の元は ±1 か楕円型(>>210)である。

217 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:37:30
問題
g を SL_2(Z) の元で楕円型(>>210)とする。
g の特性多項式は

X^2 + 1
X^2 + X + 1
X^2 - X + 1

のどれかである。

218 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:40:47
問題
g を SL_2(Z) の元で楕円型(>>210)とする。
g の位数は 3, 4, 6 のどれかである。

219 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 18:48:51
きゃは!おもしろい。

220 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 19:07:38
定義
2次体 Q(√m) において、αを任意の整数、β を 0 でない任意の整数
とする。
このとき、α = βγ + δ、 |N(δ)| < |N(β)| となる整数 γ、δ が
常に存在するとき Q(√m) は、ノルム Euclid 的であるという。

221 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 19:11:26
問題
2次体 Q(√(-1)) はノルム Euclid 的である。

222 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 19:28:38
>>196 以降は志村の
Introduction to the arithmetic theory of automorphic functions
を参考にしている。

223 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 19:38:09
定義
複素上半平面 H の点 z に対して g(z) = z となる楕円型(>>210)の元
g ∈ SL_2(Z) が存在するとき、z を楕円点という。

224 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:15:43
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。

Z[g] は2次の全行列環 M_2(Z) の部分環として
2次体 Q(√(-1)) の整数環 Z[√(-1)] に同型である。

225 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:19:09
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。
Z[g] の元を Z^2 に左から作用させて Z^2 を Z[g]-加群とみなす。

このとき Z^2 は階数1の Z[g]-自由加群である。

226 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:26:08
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。

g は (0, -1)/(1, 0) または (0, 1)/(-1, 0) に SL_2(Z) 内で
共役である。

なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

227 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:38:31
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。

Z[g] は2次の全行列環 M_2(Z) の部分環として
2次体 Q(√(-3)) の整数環 Z[ρ] に同型である。
ここで、ρ = (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) である。

228 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:44:33
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。
Z[g] の元を Z^2 に左から作用させて Z^2 を Z[g]-加群とみなす。

このとき Z^2 は階数1の Z[g]-自由加群である。

ヒント:
2次体 Q(√(-3)) の整数環 Z[ρ] は前スレ3の233から
ノルム Euclid 的(>>220)である。

229 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:46:53
>>225
>>228

Z^2 の元は列ベクトルとみなす。

230 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:49:42
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。

g は h = (0, -1)/(1, -1) または h^2 = (-1, 1)/(-1, 0) に
SL_2(Z) 内で共役である。

なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

231 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:59:55
問題
g を SL_2(Z) の位数6の元とする。

g は -h = (0, 1)/(-1, 1) または -h^2 = (1, -1)/(1, 0) に
SL_2(Z) 内で共役である。

ここで h = (0, -1)/(1, -1) である。

232 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 22:07:22
>>201

・p≡1 (mod 4) のとき
 x^2 ≡ -1 (mod p) を満たすxがある。(-1 は平方剰余)
 よって、{k,p-k}の対は 共に平方剰余 または共に非剰余。
 x^2 ≡k, y^2≡p-k (mod p) なる x,y をとると、
 r=x,p-x ⇒ (r^2)/p - [(r^2)/p] = k/p,
 r=y,p-y ⇒ (r^2)/p - [(r^2)/p] = (p-k)/p,
 辺々たせば =1.
 平方剰余は (p-1)/2 個, すなわち (p-1)/4 対あるから、
 これは与式左辺のp-1項を尽くしている。

233 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 22:14:02
定義
複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
{ g ∈ SL_2(R) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
この楕円点の位数という。

234 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 22:24:58
問題
複素上半平面 H の楕円点 z の位数(>>233) は2または3である。

位数2の楕円点は √(-1) に SL_2(Z) の元の作用で移る。

位数3の楕円点は (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) に
SL_2(Z) の元の作用で移る。

235 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 22:52:20
定義
複素上半平面 H の部分集合 D が以下の条件を満たすとき SL_2(Z) の
基本領域と呼ぶ。

1) D は H の連結開部分集合である。

2) D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。

3) H の任意の点は D の閉包のある点とSL_2(Z) の作用で同値である。

236 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 23:01:33
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D が SL_2(Z) の基本領域であることを示すのが次の目標である。

237 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 23:24:23
SL_2(Z) の元 S, T を

S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)

で定義する。

S(z) = z + 1
T(z) = -1/z

である。

238 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 23:35:48
問題
S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の
部分群を G' とする。

複素上半平面 H の任意の点 z に対して { Im(g(z)) ; g ∈ G' } は
最大値をもつ。

239 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 23:50:28
補題
z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。
このとき |T(z)| > 1 である。
ここで、T = (0, -1)/(1, 0) である。

証明
自明である。

240 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 00:03:58
問題
S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の
部分群を G' とする。

>>238 より 複素上半平面 H の任意の点 z に対してある g ∈ G'
があり Im(g(z)) が最大値となる。

w = S^n(g(z)) とおく。つまり w = g(z) + n である。
|Re(w)| ≦ 1/2 となるように整数 n をとる。
このとき |Im(w)| ≧ 1 である。

つまり、w は
D~ = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } の点である。

241 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 00:45:26
訂正

>>239 を次の問題に置き換える。

問題
z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。
w = -1/z とおく。
このとき Im(w) > Im(z) である。

242 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 07:33:58
>>205, >>207, >>209 は、ここでの話題とあまり関係ないかも
しれない。

他にもそのような問題があるかもしれないので、問題を解くのは
必要性がはっきりした時点にしたほうがよいかも知れない。

もちろん、解くのはなんら問題ない。

243 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 10:25:47
訂正

>>214
>特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

特殊直行群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

244 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 10:26:43
もといw

特殊直交群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

245 :132人目の素数さん:2006/12/11(月) 18:51:32
クンマー、ディリクレ

246 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 19:45:09
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

z ∈ D なら Im(z) > (√3)/2 である。

247 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 20:16:43
問題
z を |z| > 1 である任意の複素数とする。

|z + 1|^2 > 2(Re(z) + 1) である。

248 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 20:34:48
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

z ∈ D なら |z + d| > 1 である。
ここで d は |d| ≧ 1 である任意の実数である。

249 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 21:13:22
補題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

g を SL_2(Z) の元、z を D の点とし w = g(z) とおく。
g = (a, b)/(c, d) とする。
この記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。
即ち w = (az + b)/(cz + d) である。

Im(w) ≧ Im(z) なら c = 0 または ±1 である。

証明

>>198 より Im(w) = Im(z)/|cz + d|^2 である。

Im(w) ≧ Im(z) より Im(z)/|cz + d|^2 ≧ Im(z) となる。
よって Im(z) ≧ Im(z)|cz + d|^2 となる。
Im(z) > 0 だから
|cz + d| ≦ 1 となる。

y = Im(z) とおくと、cz + d の虚部は cy である。
よって |cz + d| ≦ 1 より |cy| ≦ 1 となる。
よって |c| ≦ 1/y となる。
一方、>>246 より y > (√3)/2 である。
よって |c| ≦ 2/√3 < 2 である。
よって c = 0 または ±1 である。
証明終

250 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 21:16:16
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。

251 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 21:22:18
>>240>>250 より
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } は
SL_2(Z) の基本領域(>>235)である。

252 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 22:29:32
訂正

>>233
>定義
>複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
>{ g ∈ SL_2(R) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
>この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
>この楕円点の位数という。

定義
複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
{ g ∈ SL_2(Z) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
この楕円点の位数という。

253 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 11:09:44
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D の閉包を [D] と書く。

[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

E = { z ∈ [D] ; |z| = 1 }
= { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| = 1 }

L = { z ∈ [D] ; Re(z) = -1/2 }
= { z ∈ H ; Re(z) = -1/2 かつ |z| ≧ 1 }

R = { z ∈ [D] ; Re(z) = 1/2 }
= { z ∈ H ; Re(z) = 1/2 かつ |z| ≧ 1 }

とおく(それぞれの図を描かくとよい)。

[D] の境界は [D] - D であるが、
[D] - D = E ∪ L ∪ R
である。

F = { z ∈ E ; Re(z) ≦ 0 }
= { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 かつ |z| = 1 }
G = D ∪ L ∪ F
とおく。

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }
である。

254 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 11:30:14
[D] の図は例えば

ttp://en.wikipedia.org/wiki/Modular_group

にある。

255 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 12:22:19
簡単のために H の2点が SL_2(Z) の作用で同値なことを単に同値と
いうことにする。

z = x + y√(-1) で |z| = 1 のとき
-1/z = (-x + y√(-1))/|z|^2 = -x + y√(-1)

よって変換 T(z) = -1/z は E = { z ∈ [D] ; |z| = 1 } の点を
虚軸に関して対称な点に写す。
よって、 E の点は F = { z ∈ E ; Re(z) ≦ 0 } の点と同値である。

変換 S^(-1)(z) = z - 1 は R = { z ∈ [D] ; Re(z) = 1/2 }
の点を L = { z ∈ [D] ; Re(z) = -1/2 } の点に写す。

よって [D] の任意の点は G = D ∪ L ∪ F の点に同値である。
>>240 より H の任意の点は [D] の点に同値だから、
結局 G の点に同値となる。

256 :132人目の素数さん:2006/12/16(土) 12:43:11
定理の証明は見ずに自分で証明すること。

遅くとも学部四年になるまでには、こういう読み方を身に付けないと
いけない。

257 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 14:44:50
補題
G を >>253 の通りとする。
z ∈ G なら Im(z) ≧ (√3)/2 である。

証明
>>246 と同様である。

258 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 14:46:47
補題
z を |z| ≧ 1 である任意の複素数とする。
d を実数とし、|z + d| ≦ 1 とする。

このとき
d = 0 なら |z| = 1

d > 0 なら x ≦ -d/2
d < 0 なら x ≧ -d/2

証明
>>247 と同様の単純計算である。

259 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 14:49:13
補題
G を >>253 の通りとする。
z ∈ G とし d を有理整数とする。
さらに |z + d| ≦ 1 とする。

このとき d = 0 または d = 1 である。

d = 0 なら |z| = 1

d = 1 なら z = (-1 + √(-3))/2

証明
>>258 より明らかである。

260 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 01:01:35
補題
G を >>253 の通りとする。

g = (a, b)/(c, d) を SL_2(Z) の元とする。
なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

z, w ∈ G で w = g(z) = (az + b)/(cz + d) とする。

Im(w) ≧ Im(z)

なら c = 0 または c = ±1 である。

証明
>>249 の証明とほとんど同じである。
>>246 の代わりに >>257 を使う。

261 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 01:14:21
>>260 において c = 0 なら g = ±1 であり、w = z である。

証明
ad - bc = 1 だから c = 0 より a = d = ±1 である。
よって w = z ± d となる。
z と w は G に属するから d = 0 である。
証明終

262 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 01:27:17
>>260 において c = 1 なら d = 0 または d = 1 である。

d = 0 なら |z| = 1

d = 1 なら z = (-1 + √(-3))/2

である。

証明
Im(w) = Im(z)/|z + d|^2 ≧ Im(z)
より、|z + d| ≦ 1 となる。
よって >>259 より主張がでる。

263 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 02:12:19
>>262 において

d = 0 なら

w = z = √(-1) で g = (0, -1)/(1, 0)

または

w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (-1, -1)/(1, 0)

証明
ad - bc = 1 で c = 1 だから d = 0 なら b = -1 である。
よって w = a - 1/z である。

|z| = 1 で z ∈ G だから z ∈ F である。
ここで F は >>253 で定義された集合である。
|z| = 1 だから -1/z は虚軸に対して z と対称の位置にある。
w ∈ G だから a = 0 または a = -1 である。

a = 0 なら z = √(-1) で g = (0, -1)/(1, 0) よって w = -1/z = z

a = -1 なら z = (-1 + √(-3))/2 で g = (-1, -1)/(1, 0)
よって w = -1 - 1/z = (-z - 1)/z = z^2/z = z

ここで z は 1 の原始3乗根だから z^2 + z + 1 = 0 となることを
使った。
証明終

264 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 02:42:15
>>262 において

d = 1 なら w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (0, -1)/(1, 1)

証明
ad - bc = 1 で c = 1 だから d = 1 なら a - b = 1 である。
よって a = b + 1 である。

w = ((b + 1)z + b)/(z + 1) = b + z/(z + 1) = b - z/z^2 = b - 1/z

w ∈ G だから b = -1 である。
よって
w = (-z - 1)/z - z^2/z = z
証明終

265 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 02:44:44
訂正

>>264
>w = (-z - 1)/z - z^2/z = z

w = (-z - 1)/z = z^2/z = z

266 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 03:02:42
>>260 において c = -1 のときは -g = (-a, -b)/(-c, -d) で
w = -g(z) であるから c = 1 の場合の結果を適用できる。

つまり以下のようになる。

c = -1 なら d = 0 または d = -1 である。

d = 0 なら
w = z = √(-1) で g = (0, 1)/(-1, 0)
または
w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (1, 1)/(-1, 0)

d = 1 なら
w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (0, 1)/(-1, -1)

267 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 03:53:47
定理
G を >>253 の通りとする。

(1) 任意の z ∈ H に対して g(z) ∈ G となる g ∈ SL_2(Z) が
存在する。

(2) G の異なる2元は SL_2(Z) に関して同値ではない。

(3) z ∈ G に対して I(z) = { g ∈ SL_2(Z) ; g(z) = z } を
z の安定化部分群とする。

S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)
ρ = (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) とおく。

z が √(-1) でも ρ でもないとき I(z) = {±1}

z = √(-1) のとき I(z) = {±1, ±g}
ここで g = T

z = (-1 + √(-3))/2 = exp(2πi/3) のとき I(z) = {±1, ±g, ±g^2}
ここで g = TS = (0, -1)/(1, 1)

証明
(1)
>>255 で証明されている。

(2) と (3)
>>261 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 からわかる。
証明終

268 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 04:10:06
>>267 から >>234 の別証が得られたことになる。

269 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 04:32:25
定理
SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される。

証明
S と T で生成される SL_2(Z) の部分群を K とおく。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D から任意の元 z を取る。
g を SL_2(Z) の任意の元とする。

>>240>>255 より hg(z) ∈ G となる h ∈ K が存在する。

>>267 の (2) より hg(z) = z である。
>>267 の (3) より hg = ±1 である。
よって g ∈ K となる。

証明終

270 :132人目の素数さん:2006/12/17(日) 06:41:46
kummer さんの数式の書き方、きれいですね!
TeX いらないのでは!

271 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 10:52:37
>>270

有難うございます。
これだけ書いてるとさすがに上達しますw

272 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 12:11:49
定義
2次体 Q(√m) において m > 0 のとき Q(√m) を実2次体と呼ぶ。
m < のとき Q(√m) を虚2次体と呼ぶ。

273 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 12:20:51
定義
2次体 Q(√m) において m > 0 のとき Q(√m) を実2次体と呼ぶ。
m < のとき Q(√m) を虚2次体と呼ぶ。

Q(√m) が虚2次体のとき、√m = √(|m|) √(-1) と決めておく。
ここで √(|m|) は |m| の正の平方根である。

したがって、√m および ω (>>11) は複素上半平面にある。

274 :132人目の素数さん:2006/12/17(日) 12:42:07
問題
z を複素数、a, b, c, d を実数とする。
ただし、cz + d ≠ 0 とする。

w = (az + b)/(cz + d) とおく。

このとき

Im(w) = (ad - bc)Im(z)/|cz + d|^2

である。

275 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 12:49:19
補題

虚2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω]
が同じイデアル類に属すとする。
すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m) があるとする。
このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

証明
>>194 より θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

>>273 の規約より θ と ψ は複素上半平面にある。

よって >>274 より ps - qr = 1 である。

証明終

276 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 15:35:27
定義
代数的数(前スレ3の156) θ に対して Q(θ) が Q の n 次拡大で
あるとき θ を n 次の代数的数という。

θ は有理数係数の多項式 f(X) = a_0X^n + a_1X^(n-1) ... + a_n の
根となる。ここで a_0, ..., a_n の最大公約数は 1 であり、
a_0 > 0 である。

f(X) は θ により一意に決まる。

f(X) の判別式を θ の判別式という。

ここで f(X) の判別式について復習しよう。

f(X) の根を θ_0, ..., θ_(n-1) とする。

f(X) の根の差積をΔとする。つまり Δ = Π(θ_i - θ_j) である。
ここで積は i < j となる対 (i, j) 全体を動く。

D = Δ^2 は θ_0, ..., θ_(n-1) の対称式だから f(X) の係数の
多項式で表せる。よって D は有理整数である。

D を f(X) の判別式という。

277 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 20:10:58
A を環とする。

x と y を A の元を成分とする n 次の列ベクトルとしたとき
(x, y) は (x^t)y を表すとする。ここで x^t は x の転置であり、
x^t は行ベクトルになる。

S を A の元を成分とする n 次の対称行列とする。

2次形式 (x, Sx) = (x^t)Sx = (Sx, x)
を考える。これを S[x] と書く。

P を A の元を成分とする n 次の可逆正方行列とする。

x = Py と変数変換すると、

S[x] = (Py, SPy) = (Py)^t(SPy) = y^t(P^t)SPy =(y, (P^t)SPy)
= (P^t)SP[y]

det((P^t)SP) = det(P)^2 det(S) である。

278 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 21:01:58
>>276
>ここで a_0, ..., a_n の最大公約数は 1 であり、
>a_0 > 0 である。

a_0 > 0 の条件をつけない場合もある。
この場合 f(X) の係数は符号を除いて決まる。
さらに f(X) の判別式は根の差積 Δ の平方だから
θ により一意に決まる。

279 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 22:12:29
定義
有理整数係数の2元2次同次多項式

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2

を2元2次形式、略して、2次形式という。

gcd(a, b, c) = 1 のとき f を原始的という。

D = b^2 - 4ac を f の判別式という。

280 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 22:40:30
2次形式

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2

に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して

f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

である。

281 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 23:09:27
>>280 のつづき

f(x, y) の判別式を D とする。

A を2次の正方行列 (a, b/2)/(b/2, c) とする。
行列の記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

B = (k, l/2)/(l/2, m) とおく。

P = (p, q)/(r, s) とおく。

P の転置行列 P^t は (p, r)/(q, s) である。

>>277 より

B = (P^t)AP である。

よって det(B) = det(P)^2 det(A) である。

det(P) = ps - qr = ±1

だから
det(B) = det(A) である。

よって km - l^2/4 = ac - b^2/4
よって l^2 - 4km = b^2 - 4ac = D

282 :132人目の素数さん:2006/12/17(日) 23:26:42
命題

>>280 において

gcd(a, b, c) = gcd(k, l, m) である。

証明
a, b, c で生成される有理整数環のイデアルを I とする。
k, l, m で生成される有理整数環のイデアルを J とする。

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

より J ⊂ I である。

一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

は可逆だから

2次形式 g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2
にこの逆一次変換を作用させて f(x, y) を得ることが出来て、
a, b, c を k, l, m の式で表せる。

よって I ⊂ J である。
証明終

283 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 23:29:43
>>282 に名前を入れるのを忘れた。
将来の検索の便宜のために注意しておく。

284 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 19:44:58
2次の代数的数(>>276)のことを2次の無理数ともいう。

285 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 19:46:12
GL_n(Z) で有理整数を成分とする n 次の正方行列で可逆なものの
なす群を表す。

g ∈ GL_n(Z) であるためには det(g) = ±1 が必要十分である。

GL_2(Z) の元は C ∪ {∞} に一次分数変換として作用する(>>196)。

286 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 19:49:21
命題
θ を2次の無理数(>>284)とする。
τ = g(θ) とする。ここで g は GL_2(Z) (>>285) の元である。
このとき τ も2次の無理数であり、θ と同じ判別式(>>276)をもつ。

証明
aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。

D = b^2 - 4ac は θ の判別式である。
θ は2次の無理数だから D は平方数ではない。

2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を考える。

g の逆行列を h = (p, q)/(r, s) とする。
θ = h(τ) = (pτ + q)/(rτ + s) である。

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = kx^2 + lxy + my^2
とすると、>>281 より D = l^2 - 4km である。

μ = pτ + q
ν = rτ + s
とおく。

θ = μ/ν だから
a(μ/ν)^2 + b(μ/ν) + c = 0
aμ^2 + bμν + cν^2 = 0
よって f(μ, ν) = g(τ, 1) = 0

よって g(τ, 1) = lτ^2 + mτ + n = 0
D = l^2 - 4km は平方数ではないから τ は2次の無理数である。
証明終

287 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 19:56:08
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
θ を判別式 D の2次の無理数とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。
さらに a > 0 とする。

D = b^2 - 4ac である。
θ = (-b ± √D)/2a であるが θ = (-b + √D)/2a と仮定する。

a(aθ^2 + bθ + c) = a^2θ^2 + abθ + ac = 0
だから
(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0

よって aθ は代数的整数である。
aθ = (-b + √D)/2 だから aθ ∈ Q(√m) である。

m ≡ 1 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b - 1 + 1 + √m)/2 = (-b - 1)/2 + ω

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b + 2√m)/2 = -b/2 + ω

いずれの場合でも aθ = r + ω の形である。
r = aθ - ω は有理数で代数的整数でもあるから、有理整数である
(前スレ3の158より有理整数環は整閉である)。

(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0
だから N(aθ) = ac である。

よって [a, aθ] = [a, r + ω] は Q(√m) の原始イデアルである。

288 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 19:59:48
>>285

A を環としたとき GL_n(A) も同様に定義される。

g ∈ GL_n(A) であるためには det(g) が A の可逆元であることが
必要十分である。

289 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 22:55:11
補題
2次形式 f = a^x^2 + bxy + cy^2 の判別式が、ある2次体 Q(√m) の
判別式に等しいなら f は原始的(>>279)である。

証明
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
仮定より、D = b^2 - 4ac である。

f が原始的でないとするとある有理整数 t > 1 があり、
a, b, c はそれぞれ t で割れる。よって D は t^2 で割れる。
D = (t^2)d とする。

m ≡ 1 (mod 4) のときは D = m であるから D は平方因子を含まない。
これは D = (t^2)d に反する。

よって m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) である。
この場合 D = 4m である。
m は平方因子を含まないから 2 で割れるとしても 4 では割れない。
よって t = 2 である。

b = 2e とする。
D = b^2 - 4ac = 4(e^2 - ac)
よって e2 - ac = m である。

ac ≡ 0 (mod 4) だから m ≡ e^2 (mod 4)
よって
m ≡ 0 (mod 4) または m ≡ 1 (mod 4)
である。これは矛盾である。
証明終

290 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 23:04:49
>>289
>m は平方因子を含まないから 2 で割れるとしても 4 では割れない。

m ≡ 0 (mod 4) でないことは
m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) からもわかる。

291 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 23:17:34
補題
有理整数係数の2次多項式 f(X) = aX^2 + bX + c の判別式が、
ある2次体 Q(√m) の判別式に等しいなら gcd(a, b, c) = 1 である。

証明
>>289 と同様である。

292 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 23:26:20
命題
I = [a, r + ω] を2次体 Q(√m) の原始イデアルの標準基底による
表示とする。

θ = (r + ω)/a とおく。
θ は2次無理数であり、その判別式は Q(√m) の判別式と一致する。

証明
Q(√m) の判別式を D とする。

θ が有理数なら ω = aθ - r が有理数になり矛盾である。
θ ∈ Q(√m) だから θ は2次無理数である。

β = r + ω とおく。仮定より N(r + ω) = ββ ' は a で割れる。

f(X) = a(X - θ)(X - θ ') とおく。

f(X) = a(X - β/a)(X - β '/a) = aX^2 -(β + β ')X + ββ '/a

b = -(β + β ')
c = ββ '/a
とおくと b と c は有理整数」であり、f(X) = aX^2 + bX + c である。

f(X) の判別式は (β + β ')^2 - 4ββ ' = (β - β ')^2
= (ω - ω ')^2 = D である。

>>290 より gcd(a, b, c) = 1 である。
よって θ の判別式は D である。
証明終

293 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/19(火) 22:18:56
定義
2次形式(>>279) f(x, y) = a^x^2 + bxy + cy^2 の判別式 D が
平方数でなく D < 0 とする。

a > 0 のとき f は正定値であるという。
a < 0 のとき f は負定値であるという。

D は平方数でないから a ≠ 0 であることに注意する。

294 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/19(火) 22:28:43
>>293
>a^x^2 + bxy + cy^2

ax^2 + bxy + cy^2

295 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/19(火) 22:42:50
補題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を正定値(>>293)の2次形式とする。

(u, v) を 直積 Z × Z の元とすれば f(u, v) ≧ 0 であり、
f(u, v) = 0 となるのは (u, v) = (0, 0) のときに限る。

証明
f(x, y) の判別式を D とする。
f(x, y) は正定値だから D < 0 かつ a > 0 である(>>293)。

af(x, y) = a^2x^2 + abxy + acy^2

= (ax + by/2)^2 + acy^2 - (b^2/4)y^2

= (ax + by/2)^2 + (4ac - b^2)y^2/4

= (ax + by/2)^2 + |D|y^2/4

これから補題の主張は直に出る。

証明終

296 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 12:51:50
補題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を負定値(>>293)の2次形式とする。

(u, v) を 直積 Z × Z の元とすれば f(u, v) ≦ 0 であり、
f(u, v) = 0 となるのは (u, v) = (0, 0) のときに限る。

証明
>>295 の証明より

af(x, y) = (ax + by/2)^2 + |D|y^2/4

これより補題の主張は明らか。

証明終

297 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 12:54:09
命題
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。

ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

f(x, y) が正定値(>>293)であるためには g(u, v) が正定値であること
が必要十分である。

証明
>>281 より f と g の判別式は同じである。

一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
は可逆だから (u, v) に (x, y) を対応させることにより
集合としての直積 Z × Z の自己同型写像が得られる。

これと >>295>>296 からわかる。
証明終

298 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 15:34:52
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を正定値(>>293)の2次形式とする。
さらに f = f(x, y) の判別式が、ある2次体 Q(√m) の判別式 D に
等しいとする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

このとき [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] は Q(√m) の
原始イデアルであり、同じイデアル類に属す。

299 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 15:37:57
>>298 の証明

D < 0 だから Q(√m) は虚2次体である。
θ = (-b + √D)/2a とおく。θ は ax^2 + bx + c = 0 の根である。

ここで、>>273 と同様に √D = √|D| √(-1) とする。
a > 0 だから θ は複素上半平面にある。

>>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。

行列 (p, q)/(r, s) の逆行列は (s, -q)/(-r, p) である。
τ = (sθ - q)/(-rθ + p) とおく。
θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

>>198 より Im(τ) = Im(θ)/|-rθ + p|^2 だから
τ も複素上半平面にある。

aθ^2 + bθ + c = 0 より

a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) = g(τ, 1) = kτ^2 + lτ + m
である。

>>297 より g(u, v) は正定値だから、k > 0 である。
よって τ が複素上半平面にあることから τ = (-l + √D)/2k で
でなければならない。

>>287 より [k, (-l + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。
>>195 より [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] は、
Q(√m) の同じイデアル類に属す。
証明終

300 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 15:54:09
>>194 において Q(√m) が虚2次体のとき、>>273 より
θ と ψ は複素上半平面にある。

>>274 より Im(θ) = (ps - qr)Im(ψ )/|rψ + s|^2

よって ps - qr = 1 である。

301 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 16:05:53
I = [a, b + cω] を2次体 Q(√m) のイデアルの標準基底による
表示とする(>>16)。

a と b は c で割れるから a = ce、b = cr とすると、

I = c[e, r + ω] となる。[e, r + ω] は原始イデアルである。

(b + cω)/a = (r + ω)/e である。

302 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 16:17:06
定義
2次形式 f と g は ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、

g(x, y) = f(px + qy, rx + sy)

となるとき、同値であるという。

303 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 16:36:36
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
Q(√m) のイデアル類群(>>193)を Cl(D) と書く。

判別式 D の正定値2次形式を >>302 の同値関係で類別した同値類の
集合を F+(D) と書く。

F+ の元からその任意の代表 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 をとる。

>>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。

>>298 より、このイデアルの属すイデアル類は f(x, y) の取り方に
よらない。

よって F+(D) から Cl(D) への写像が定まる。
この写像を Φ+ と書く。

304 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 17:08:22
命題
>>303 の写像 Φ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を 判別式 D の正定値2次形式とする。
さらに [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] が同じイデアル類に
属すとする。

θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k とおく。

>>300 より ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、
θ = (pτ + q)/(rτ + s) となる。
aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0
この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを h(x, y) とする。
>>297 より h(x, y) は正定値である。
>>281 より h(x, y) の判別式は D だから >>289 より h(x, y) は
原始的である。

h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

305 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 17:33:53
命題
>>303 の写像 Φ+ は全射である。

証明
I = [a, b + cω] を2次体 Q(√m) のイデアルの標準基底による
表示とする(>>16)。

>>301 より I = c[e, r + ω] となり、
(b + cω)/a = (r + ω)/e である。

θ = (r + ω)/e とおく。

>>292 よりθ は2次無理数であり、
その判別式は D である。

よって aθ^2 + bθ + c = 0 となる。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

θ は複素上半平面にあるから θ = (-b + √D)/2a である。
よって >>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアル
である。

>>195 より [a, (-b + √D)/2] と [e, r + ω] は
Q(√m) の同じイデアル類に属す。

よって、写像 Φ+ により f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 の
属す F+ の類が I の属すイデアル類に対応する。
証明終

306 :132人目の素数さん:2006/12/20(水) 18:38:43
これって何の本を参考にされてるんですか?

307 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 19:12:31
>>306

主に高木の初等整数論講義です。
しかし、この本のこのあたりはあまり整理されていない。
2次形式もあまり表だっては使われていない。

2次形式まわりの定義(特に正定値2次形式)については Zagier の
数論入門(岩波) を参考にしました。
しかし、この本はこのあたりの証明はほとんど書いてないので
定義以外はあまり参考にならない。

写像 Φ+ の定義については Zagier と前に言及した Cohen の
A course in computational algebraic number thery
を参考にしました。

しかし、この本にも証明はほとんど書いてないです。

308 :132人目の素数さん:2006/12/20(水) 19:30:04
>>307
ありがと。
Zagierはちょうど図書館から借りてるところだったので、暇なときに読んでみる

309 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 22:58:18
正定値というのは positive definite の訳ですが誤解を与える
かもしれない。
正値のほうがいいかもしれない。

310 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 09:34:58
命題
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して
g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2
とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

θ = (b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおくと
θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

証明
kτ^2 + lτ + m = 0 だから
g(τ, 1) = f(pτ + q, rτ + s) = 0
よって
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この式の両辺を (rτ + s)^2 で割ると

aμ^2 + bμ + c = 0
となる。ここで μ = (pτ + q)/(rτ + s) とおいた。

a > 0 であり、μ は複素上半平面にあるから
μ = (b + √D)/2a である。
よって θ = μ である。
証明終

311 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 09:56:24
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。

複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数(>>276) の SL_2(Z) の
作用での同値類の集合を H(D) と書く。

F+(D) (>>303) の元からその任意の代表 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2
をとる。 (-b + √D)/2a は複素上半平面にある判別式 D の2次の
無理数である。

>>310 より (-b + √D)/2a の属す H(D) の同値類は f(x, y) の属す
F+(D) の同値類のみで決まる。

よって F+(D) から H(D) への写像が定まる。
この写像を Ψ+ と書く。

312 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 09:58:46
命題
>>311 の写像 Ψ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を 判別式 D の正定値2次形式とする。
さらに
θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおいたとき

θ = (pτ + q)/(rτ + s)
とする。ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを h(x, y) とする。
>>297 より h(x, y) は正定値である。
>>281 より h(x, y) の判別式は D だから >>289 より h(x, y) は
原始的である。

h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

313 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 10:09:09
命題
>>311 の写像 Ψ+ は全射である。

証明
H(D) の任意の類からその代表 θ を取る。
θ は複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数である。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

f = ax^2 + bxy + cy^2 は判別式 D の正定値2次形式である。
f の属す F+(D) の類に θ の属す H(D) の類が対応する。
証明終

314 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 11:22:09
>>304>>305 より
集合 F+(D) と Cl(D) の間に全単射が存在し、

>>312>>313 より
F+(D) と H(D) の間に全単射が存在することが分かった。

315 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 11:28:33
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
θ を複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数とする。

>>267 の (1) より θ は >>253 の G の点と SL_2(Z) の作用で
同値である。

θ ∈ G となる条件を求めよう。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

θ = (-b + √D)/2a である。

>>257 より (√|D|)/2a ≧ (√3)/2
よって
(√|D|) ≧ a√3
よって
a ≦ √(|D|/3)

よって a の取りうる値は有限である。

他方
|b/2a| ≦ 1/2 だから |b| ≦ a である。
よって b の取りうる値も有限である。

b^2 -4ac = D だから a と b が決まれば c も決まる。

以上から H(D) は有限集合であることが分かった。
>>314 よりイデアル類群 Cl (D) の位数も有限である。

316 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 12:01:51
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
>>315 より Q(√m) のイデアル類群 Cl (D) の位数は有限である。
これを Q(√m) の類数と呼び、h(D) と書く。

317 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 12:05:57
問題
Q(√(-5) の類数 h(-20) を >>315 を使って求めよ。
さらにイデアル類群 Cl (-20) の各類の代表となる原始イデアルを
求めよ。

318 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 13:09:45
問題
m が -1, -2, -3, -7, -11, -19, -43, -67, -163 のとき
Q(√(−m)) の類数は1であることを証明せよ。

m の値が異なる毎に答えのレスを変えること。

319 :132人目の素数さん:2006/12/22(金) 14:56:54
与えられた類数を持つ虚二次体って有限個なの?

320 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 15:31:19
定義
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D で正定値(>>293)の
2次形式とする。

G を >>253 で定義した集合とする。
つまり

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }

(-b + √D)/2a が G に属すとき f(x, y) を簡約2次形式と呼ぶ。

321 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 16:26:24
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f(x, y) が簡約2次形式(>>320)であるためには

|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

証明
θ = (-b + √D)/2a が >>253 で定義した集合 G に属すとする。

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }
である。

Re(θ) = -b/(2a) だから -1/2 ≦ -b/(2a) < 1/2 である。
したがって -a ≦ -b < a
よって |b| ≦ a
|b| = a のときは a = b である。

他方、 D = b^2 - 4ac に注意して、
|θ|^2 = (b^2 + |D|)/4a^2 = (b^2 + |D|)/4a^2 = 4ac/4a^2 = c/a

|θ| ≧ 1 であるためには a ≦ c が必要十分である。

|θ| = 1 つまり a = c のときは -1/2 ≦ -b/(2a) ≦ 0
よって -a ≦ -b ≦ 0
つまり a ≧ b ≧ 0
証明終

322 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 20:01:00
>>319

そうです。

もっと一般に与えられた次数と類数を持つ有理数体の虚アーベル拡大体
も有限個です。

この証明は、例えば Narkiewicz の
Elementary and analytic theory of algebraic numbers
に載っています。

323 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 20:42:34
Lecture Notes on Algebraic Number Theory

ttp://www.fen.bilkent.edu.tr/~franz/LN/LN-ant.html

324 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 21:11:15
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f に (-b + √D)/2a を対応させることにより、

判別式 D の正定値(>>293)の2次形式と、複素上半平面にある
判別式 D の2次無理数(>>276)とは1対1に対応する。

証明
判別式 D の正定値(>>293)の2次形式の集合を PF(D) と書く。
複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) と書く。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 が判別式 D の正定値2次形式なら

θ = (-b + √D)/2a は複素上半平面にある判別式 D の2次無理数
である。

従って φ(f) = θ により写像 φ : PF(D) → HQ(D) が定まる。

逆に、θ が複素上半平面にある判別式 D の2次無理数なら、
>>276 より aθ^2 + bθ + c = 0 となる。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 かつ a > 0 である。

>>276 より a, b, c は θ により一意に決まる。

θ に ax^2 + bxy + cy^2 を対応させれば、これが φ の逆写像である。
証明終

325 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 21:53:50
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

θ = (-b + √D)/2a とおく。
θ は複素上半平面にある判別式 D の2次無理数である。

(p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) のとき
τ = (sθ - q)/(-rθ + p) とおくと、>>286 より τ は判別式 D の
2次無理数である。

>>198 より Im(τ) = Im(θ)/|-rθ + p|^2 だから τ は
複素上半平面にある

θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2 とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 より

a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)/(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0 となる。

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) = kτ^2 + lτ + m である。

>>281 より g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2 の判別式は D であり、
>>297 より g は正定値2次形式である。よって k > 0 である。

よって τ = (-l + √D)/2k である。

以上を簡潔にまとめると
f に θ が対応するなら g には τ が対応する。

326 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 22:43:34
G を >>253 で定義した集合とする。

複素上半平面にある判別式 D の2次無理数 θ が与えられたとき
それと SL_2(Z) の作用に関して同値な2次無理数で G の点となるもの
を有限回の手続きで求める方法を述べる。

>>269 より SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で
生成される。

以下のアルゴリズムを考える。

(1) -1/2 ≦ Re(θ) < 1/2 なら (2) にいく。
-1/2 ≦ Re(θ) < 1/2 でなければ
θ に一次分数変換 S^(n)(θ) = θ + n を施すことにより
τ = θ + n を -1/2 ≦ Re(τ) < 1/2 と出来る。
θ = τ とおく。

(2) |θ| < 1 なら τ = T(θ) = -1/θ とすると |τ| > 1 となる。
θ = τ とおいて、(1) にいく。

|θ| > 1 なら終了。

|θ| = 1 なら (3) にいく。

(3) -1/2 ≦ Re(θ) ≦ 0 なら終了。

0 < Re(θ) < 1/2 なら τ = T(θ) = -1/θ とすると
|τ| = 1 で -1/2 < Re(τ) < 0 となるので θ = τ と
おいて終了。

327 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 23:36:32
補題
a と b を有理整数として a > 0 とする。

-a ≦ 2ak + b < a となる有理整数 k が一意に存在する。

証明
有理整数の割り算の剰余定理の一種だが、改めて証明しよう。

集合 { n ∈ Z ; 2an ≦ b } の最大値を m とする。

2am ≦ b < 2a(m + 1) = 2am + 2a だから区間 [2am, 2am + 2a) を
2等分して
2am ≦ b < 2am + a または 2am + a ≦ b < 2am + 2a である。

前者の場合 0 ≦ b - 2am < a
後者の場合 -a ≦ b - 2a(m + 1) < a
よって k = -m または k = -(m + 1) とおけばよい。

一意性の証明が残っている。
-a ≦ 2ak + b < a かつ -a ≦ 2al + b < a とする。

-a < -2al - b ≦ a だから
-2a < 2a(k - l) < 2a となる。
対称的に -2a < 2a(l - k) < 2a となる。

よって 2a|k - l| < 2a だから |k - l| < 1 となる。
k と l は有理整数だから k = l である。
証明終

328 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 23:46:51
>>326 のアルゴリズムが有限回で終わることを証明しよう。

そのため >>326 のアルゴリズムを正定値2次形式の簡約アルゴリズムに
翻訳する。

Gauss に倣って簡単のために、2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 を
(a, b, c) と書くことにする。

いつものように Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

n を有理整数として f に S^n = (1, n)/(0, 1) を作用させと、

x = u + nv
y = v
とおいて、

f(u + nv, v) = a(u + nv)^2 + b(u + nv)v + cv^2
= au^2 + (2an + b)uv + (an^2 + bn + c)v^2
= (a, 2an + b, an^2 + bn + c)

f に T = (0, -1)/(1, 0) を作用させると、

x = -v
y = u
とおいて

f(-v, u) = av^2 - buv + cu^2 = (c, -b, a)

329 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 00:14:09
以下のアルゴリズムを考える。

(1)
-a ≦ -b < a なら (2) にいく。
-a ≦ -b < a でなければ

(a, b, c) に S^(n) を施すことにより
(a, 2an + b, an^2 + bn + c) となる(>>328)。

ここで -a ≦ -2an - b < a となるように n をとっておく(>>327) 。

(a, 2an + b, an^2 + bn + c) を改めて (a, b, c) とおく。

(2)
a < c なら終了。

a = c なら (3) にいく。

a > c なら
(a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる(>>328)。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、(1) にいく。

(3)
b ≧ 0 なら終了。

b < 0 なら (a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、終了。

330 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 00:40:24
>>329 の (1) において |b| > a のとき、
(a, b, c) に S^(n) を施して
(a ', b ', c ') = (a, 2an + b, an^2 + bn + c) となり、
-a ≦ b ' < a となる。よって |b '| ≦ a である。
つまり |b| は、少なくとも 1 減少する。

-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
このときも -a ≦ -b ' < a となり |b| は、少なくとも 1 減少する。

(2) と (3) において |b| は変化しない。

以上から >>329 のアルゴリズムは有限回で終わる。
したがって、それと同値な >>326 のそれも有限回で終わる。

331 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 00:57:37
訂正

>>330
>-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
>このときも -a ≦ -b ' < a となり |b| は、少なくとも 1 減少する。

-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
このときは -a = -b ' となり |b| は変化しない。

332 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 01:08:43
>>327
>対称的に -2a < 2a(l - k) < 2a となる。

この行は不要なので削除。

333 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 01:33:37
>>329 の簡約アルゴリズムは |b| = a または a = c の場合を
考慮するのでやや面倒である。
これを軽減するため以下の定義をする。

定義
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D で正定値(>>293)の
2次形式とする。

[D] を >>253 で定義した集合とする。
つまり
[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

(-b + √D)/2a が [D] に属すとき f(x, y) を広義の簡約2次形式と呼ぶ。

334 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 01:47:23
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f(x, y) が広義の簡約2次形式(>>333)であるためには

|b| ≦ a ≦ c となることが必要十分である。

証明
>>321 の証明から明らか。

335 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 01:48:39
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

以下のアルゴリズムは判別式 D の任意の正定値2次形式 (a, b, c)
を広義の簡約2次形式(>>333)に変形する。

(1)
|b| ≦ a なら (2) にいく。

|b| > a なら
(a, b, c) に S^(n) を施すことにより
(a, 2an + b, an^2 + bn + c) となる(>>328)。

ここで -a ≦ -2an - b < a となるように n をとっておく(>>327) 。

(a, 2an + b, an^2 + bn + c) を改めて (a, b, c) とおく。

|b| ≦ a となっている。

(2)
a ≦ c なら終了。

a > c なら
(a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる(>>328)。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、(1) にいく。

336 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 01:54:06
>>335 の (1) において |b| > a なら、(a, b, c) に S^(n) を施して
|b| ≦ a と出来る。
つまり |b| は、少なくとも 1 減少する。

(2) において |b| は変化しない。

以上から >>335 のアルゴリズムは有限回で終わる。

337 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 02:20:08
広義の簡約2次形式を狭義つまり >>320 で定義した簡約2次形式に
変形するのは簡単である。

(a, b, c) を広義の簡約2次形式とする。

|b| = a で b < 0 なら -b = a である。

(a, b, c) に 変換 S = (1, 1)/(0, 1) を施すことにより
(a, 2a + b, a + b + c) となる(>>328)。

ここで 2a + b = a である。
a + b + c = c である。

よって (a, 2a + b, a + b + c) = (a, a, c) は狭義の簡約2次形式
である。

今度は a = c で b < 0 とする。
(a, b, a) に T = (0, -1)/(1, 0) を施すことにより
(a, -b, a) となる(>>328)。

これは狭義の簡約2次形式である。

338 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 02:36:15
ここで一息いれて雑談。

有理整係数の2元2次形式について書いてある本は非常に少ない。
これは何故なんだろうね。

2元2次形式の理論は2次体の整数論に吸収されるからというのも
あるだろうが、これはちょっといただけない。

339 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 11:30:10
命題
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。

判別式 D の正定値2次形式を >>302 の同値関係で類別した同値類の
集合を F+(D) と書いた(>>303)。

|F+(D)| は、判別式 D の簡約2次形式(>>320)の個数と一致する。

証明
>>324>>325 および >>267 より明らかである。

340 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 11:35:08
命題
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。

Q(√m) の類数は、判別式 D の簡約2次形式(>>320)の個数と一致する。

証明
>>314 より Q(√m) の類数は |F+(D)| に等しい。
これと >>339 から出る。

341 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 11:51:03
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

判別式 D の簡約2次形式(>>320)を求める方法を考える。

>>321 より
(a, b. c) (この記法に関しては >>328 を参照) が簡約2次形式(>>320)
であるためには、

|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

b^2 - 4ac = D だから
4ac = b^2 + |D|
c = (b^2 + |D|)/4a

a ≦ c より

a ≦ (b^2 + |D|)/4a

4a^2 ≦ b^2 + |D| ≦ a^2 + |D|

3a^2 ≦ |D|

a^2 ≦ |D|/3

a ≦ √(|D|/3)

よって a の取り得る値は有限個である。

|b| ≦ a だから b の取り得る値も有限個である。

c は c = (b^2 + |D|)/4a より a と b が決まれば一意に決まる。

342 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 12:01:07
>>340>>341 の威力をみるため、
m = -146 = -2・73 として Q(√m) の類数を計算してみよう。

m ≡ 2 (mod 4) だから Q(√m) の判別式 D は 4m = -584 = -2^3・73
である。

(a, b. c) を判別式 D の簡約2次形式とする。

a ≦ √(|D|/3) = √(584/3) = √194.666 = 13.95...
したがって、1 ≦ a ≦ 13

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 584

ac = (b^2 + 584)/4

b^2 + 584 を 0 ≦ b ≦ 13 の範囲で計算すると

0^2 + 584 = 584 = 4・146 = 4・2・73
1^2 + 584 = 585
2^2 + 584 = 588 = 4・147 = 4・3・7^2
3^2 + 584 = 593
4^2 + 584 = 600 = 4・150 = 4・2・3・5^2
5^2 + 584 = 609
6^2 + 584 = 620 = 4・155 = 4・5・31
7^2 + 584 = 633
8^2 + 584 = 648 = 4・162 = 4・2・3^4
9^2 + 584 = 665
10^2 + 584 = 684 = 4・171 = 4・3^2・19
11^2 + 584 = 705
12^2 + 584 = 728 = 4・182 = 4・2・7・13
13^2 + 584 = 753

343 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 12:11:52
>>342 の続き

a = 1 のとき |b| = 0、c = 2・73 = 146、(a, b. c) = (1, 0, 146)
である。以下同様。
------------------------------------------------------------
a = 2 のとき |b| = 0、c = 73、(2, 0, 73)
------------------------------------------------------------
a = 3 のとき |b| = 2、c = 7^2 = 49、(3, ±2, 49)
------------------------------------------------------------
a = 4 は無い
------------------------------------------------------------
a = 5 のとき |b| = 4、c = 2・3・5 = 30、(5, ±4, 30)
------------------------------------------------------------
a = 6 のとき |b| = 4、c = 5^2 = 25、(6, ±4, 25)
------------------------------------------------------------
a = 7 のとき |b| = 2、c = 3・7 = 21、(7, ±2, 21)
------------------------------------------------------------
a = 8 は無い
------------------------------------------------------------
a = 9 のとき |b| = 8、c = 2・3^2 = 18、(9, ±8, 18)
------------------------------------------------------------
a = 10 のとき |b| = 4、c = 3・5 = 15、(10, ±4, 15)
------------------------------------------------------------
a = 11は無い
------------------------------------------------------------
a = 12は無い
------------------------------------------------------------
a = 13 のとき |b| = 12、c = 2・7 = 14、(13, ±12, 14)
------------------------------------------------------------

以上から h(D) = 16 である。

344 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 12:21:28
>>342>>343 の計算は電卓を使って30分程度かかりました。
以外に簡単というのが私の感想です。

345 :132人目の素数さん:2006/12/23(土) 21:16:14
>338
> 有理整係数の2元2次形式について書いてある本は非常に少ない。
> これは何故なんだろうね。
読んだ事ないが、Scharlau が良いと Cohn に載っていた。
Milnor-Husemoller (絶版か?)てのは如何なんだろうか。
昔はトポロジーの分野で有理整係数の2元2次形式がよく出てたが・・・

346 :132人目の素数さん:2006/12/23(土) 22:42:31
>>345

有難うございます。
Scharlau は知らなかったです。

Milnor-Husemollerの本は有理整係数の多元2次形式について書いて
あるんじゃないんですかね。

一般の n 元2次形式論の本はいくらかあるんです(Eichlerとか)。
それでも少ないとは思いますが。

私の言ってるのは、このスレで扱ってる2元2次形式のことです。
これは2次体の整数論と密接に関係しているので特殊な扱いが
出来るわけです。

347 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 22:44:49
>>346 に名前を入れるのを忘れました。

348 :king様の弟子 ◆/LAmYLH4jg :2006/12/23(土) 22:47:15
:Kummer ◆g2BU0D6YN2 さんがんばってください!がんばって読んでます。

349 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 22:53:13
>>348

有難うございます。

350 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 00:06:29
>>343 の表の各簡約2次形式に対応する原始イデアルを求める。
>>303 より 簡約2次形式 (a, b, c) には Q(√m) の原始イデアル
[a, (-b + √D)/2] の類が対応する。
D = 4m だから √D = 2ω である。
ここで、いつものように ω = √m = √(-146) である。

------------------------------------------------------------
(1, 0, 146) 〜 [1, ω]
------------------------------------------------------------
(2, 0, 73) 〜 [2, ω]
------------------------------------------------------------
(3, -2, 49) 〜 [3, 1 + ω]
(3, 2, 49) 〜 [3, -1 + ω]
------------------------------------------------------------
(5, -4, 30) 〜 [5, 2 + ω]
(5, 4, 30) 〜 [5, -2 + ω]
------------------------------------------------------------
(6, -4, 25) 〜 [6, 2 + ω]
(6, 4, 25) 〜 [6, -2 + ω]
------------------------------------------------------------
(7, -2, 21) 〜 [7, 1 + ω]
(7, 2, 21) 〜 [7, -1 + ω]
------------------------------------------------------------
(9, -8, 18) 〜 [9, 4 + ω]
(9, 8, 18) 〜 [9, -4 + ω]
------------------------------------------------------------
(10, -4, 15) 〜 [10, 2 + ω]
(10, 4, 15) 〜 [10, -2 + ω]
------------------------------------------------------------
(13, -12, 14) 〜 [13, 6 + ω]
(13, 12, 14) 〜 [13, -6 + ω]
------------------------------------------------------------

351 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 00:21:19
>>350 を使って Q(√(-146)) のイデアル類群の構造を決定しよう。

単位類、つまり [1, ω] の属す類を E とおく。

[2, ω] の属す類を B とおく。

[2, ω]^2
= < 4, 2ω, -146 >
= < 4, 2ω, -2 >
= < 2ω, 2 >
= 2[1, ω]

だから B^2 = E である。

上の < 4, 2ω, -146 > などは、4, 2ω, -146 で生成される
Z[ω] の部分アーベル群を表す(>>9 参照)。

352 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 00:39:31
[5, 2 + ω] の属す類を C とおく。

[5, 2 + ω]^2
= < 25, 10 + 5ω, 4 + 4ω -146 >
= < 25, 10 + 5ω, 4ω -142 >
= < 25, 10 + 5ω, 4ω -17 >
= < 25, 27 + ω, 4ω -17 >
= < 25, 2 + ω, 4ω -17 >
= < 25, 2 + ω, -25 >
= [25, 2 + ω]

N(2 + ω) = 4 + 146 = 150 = 25・6

(2 + ω)/25 に一次変換 T = (0, -1)/(1, 0) (>>237) を施すと
-25/(2 + ω) になる。

-25/(2 + ω) = -25(2 - ω)/N(2 + ω) = -25(2 - ω)/(4 + 146)
= -25(2 - ω)/150 = -25(2 - ω)/(25・6) = (-2 + ω)/6

よって >>195 より [25, 2 + ω] 〜 [6, -2 + ω]
ここで 〜 は両辺のイデアルが同じイデアル類に属すことを示す。

353 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 00:52:11
>>352 より C^2 〜 [6, -2 + ω] = [6, 4 + ω]

よって

[5, 2 + ω]^3
〜 [5, 2 + ω][6, 4 + ω]
= < 30, 20 + 5ω, 12 + 6ω, 8 + 6ω - 146 >
= < 30, 20 + 5ω, 12 + 6ω, 6ω - 138 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 6ω - 138 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 6ω - 138 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 6ω - 18 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 30 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω >
= < 30, 60, -8 + ω >
= [30, -8 + ω] 〜 [7, 1 + ω]

以下、同様にして

[5, 2 + ω]^4 〜 [9, 4 + ω]
[5, 2 + ω]^5 〜 [13, -6 + ω]
[5, 2 + ω]^6 〜 [3, -1 + ω]
[5, 2 + ω]^7 〜 [10, -2 + ω]
[5, 2 + ω]^8 〜 [2, ω]

よって C^8 = B である。

>>351 より B^2 = E だから C の位数は 16 である。

よって Q(√(-146)) のイデアル類群は C で生成される位数 16 の
巡群である。

354 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 01:03:23
>>350 の表の各原始イデアルが属すイデアル類を C のべきで表す。

例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
逆イデアルである。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

------------------------------------------------------------
(1, 0, 146) 〜 [1, ω] E
------------------------------------------------------------
(2, 0, 73) 〜 [2, ω] B = C^8
------------------------------------------------------------
(3, -2, 49) 〜 [3, 1 + ω] C^10
(3, 2, 49) 〜 [3, -1 + ω] C^6
------------------------------------------------------------
(5, -4, 30) 〜 [5, 2 + ω] C
(5, 4, 30) 〜 [5, -2 + ω] C^15
------------------------------------------------------------
(6, -4, 25) 〜 [6, 2 + ω] C^14
(6, 4, 25) 〜 [6, -2 + ω] C^2
------------------------------------------------------------
(7, -2, 21) 〜 [7, 1 + ω] C^3
(7, 2, 21) 〜 [7, -1 + ω] C^13
------------------------------------------------------------
(9, -8, 18) 〜 [9, 4 + ω] C^4
(9, 8, 18) 〜 [9, -4 + ω] C^12
------------------------------------------------------------
(10, -4, 15) 〜 [10, 2 + ω] C^9
(10, 4, 15) 〜 [10, -2 + ω] C^7
------------------------------------------------------------
(13, -12, 14) 〜 [13, 6 + ω] C^11
(13, 12, 14) 〜 [13, -6 + ω] C^5
------------------------------------------------------------

355 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 01:07:09
訂正

>>354
>例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
>逆イデアルである。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
>[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
逆イデアルである。よって [3, -1 + ω] が C^6 に属すことから
[3, 1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

356 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 01:10:56
>>354 の表の計算にはかなり時間がかかった。
ほとんど一日がかり。

357 :132人目の素数さん:2006/12/24(日) 03:08:03
>>317>>318 の問題、誰か解いて

358 :聴講生:2006/12/24(日) 08:11:23
>>317
|D| = 20 より a ≦ √(20/3) なので、a = 1,2
b^2 - 4ac = -20 より b は偶数。よって、 |b| ≦ a より
a = 2,b = ±2,c = 3
2x^2 ±2xy + 3y^2 に対応するイデアルは[2,±1 + √(-5)]
[2,1 + √(-5)] = [2,-1 + √(-5)]
[2,1 + √(-5)]^2 = <4,2 + 2√(-5),-4 + 2√(-5)> = (2)
よって、h(-20) = 2 で、代表となる原始イデアルは
[1,√(-5)] と [2,1 + √(-5)]

359 :聴講生:2006/12/24(日) 08:14:46
a = 1,b = 0,c = 5 が抜けました。

360 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 11:36:21
訂正

>>354
>例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
>逆イデアルである。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
>[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
逆のイデアル類に属す。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

361 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 13:15:45
>>358

有難うございます。

362 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 13:17:00
>>161 の問題に戻る。

p を Q(√(-5)) で完全分解(>>106)する素数とする。
p ≠ 2, 5 である。

>>105 より (-5/p) = 1 である。

(-5/p) = (-1/p)(5/p)
であり、
平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より
(5/p) = (p/5) である。

1^2 ≡ 1 (mod 5)
2^2 ≡ 4 (mod 5)
3^2 ≡ 4 (mod 5)
4^2 ≡ 1 (mod 5)

だから

p ≡ 1, 4 (mod 5) のとき (5/p) = 1 であり、
p ≡ 2, 3 (mod 5) のとき (5/p) = -1 である。

(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから
p ≡ 1 (mod 4) のとき (-1/p) = 1 であり、
p ≡ 3 (mod 4) のとき (-1/p) = -1 である。

よって
p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) のとき (-5/p) = 1
p ≡ 11, 13, 17, 19 (mod 20) のとき (-5/p) = -1

よって p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) である。

363 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 13:31:13
>>362 の続き

(p) = PP ' を素イデアル分解とする。

P が単項イデアルなら p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b が
存在する。
よって (p/5) = 1 だから p ≡ 1, 4 (mod 5) であり、
p ≡ 1, 9 (mod 20) である。

L = [2, 1 + √(-5)] とおく。
>>358 より Q(√(-5) の類数は 2 で L は主類(単位類)に含まれない。
よって P が単項イデアルでないなら PL は単項イデアルである。

N(PL) = 2p だから 2p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b が
存在する。

(2p/5) = (2/5)(p/5) = 1

(2/5) = -1 だから (p/5) = -1 である。
p ≡ 2, 3 (mod 5) である。
よって p ≡ 3, 7 (mod 20) である。

以上から p が Q(√(-5)) で完全分解するためには、
p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

よって 素数 p ≠ 5 が p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b を持つ
ためには p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

これで >>168 の予想は証明された。

364 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 14:10:05
ttp://arxiv.org/abs/math.NT/0606547

Representing primes as x^2 + 5y^2 :
an inductive proof that Euler missed

によると、Cox の Primes of the forms x^2 + ny^2 という本に
>>168 の予想に関連した歴史が書いてあるそうである。

上記の論文の前書きによると(それは Cox からの引用)、

Fermat は以下の予想をした
(1) それぞれ ≡ 3, 7 mod 20 となる二つの素数の積は x^2 + 5y^2 と
書ける。

Euler は、以下の二つの予想をしたが証明は出来なかった。
(2) p ≡ 1, 9 mod 20 となる素数 p は p = x^2 + 5y^2 と書ける。

(3) p ≡ 3, 7 mod 20 となる素数 p に対して 2p = x^2 + 5y^2と書ける。

Lagrange と Legendre は上記の問題を解くため2次形式と種の理論を
展開して (2) と次の (4) を証明した

(4) p ≡ 3, 7 mod 20 となる素数は p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 と書ける。

すると (1) と (3) は (2) と (4) と次の恒等式から得られる。

(2x^2 + 2xy + 3y^2)(2a^2 + 2ab + 3b^2)
= (2ax + bx + ay + 3by)^2 + 5(bx − ay)^2

2(2x^2 + 2xy + 3y^2) = (2x + y)^2 + 5y^2

365 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 14:18:30
>>364 の (4) の2次形式 2x^2 + 2xy + 3y^2 は >>358 に出て
きている。

366 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 15:06:23
問題
>>364 の (1) を証明せよ。

367 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 17:59:43
定義
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を(有理整数係数の)2次形式とする。

k を有理整数とする。
不定方程式 k = ax^2 + bxy + cy^2 が有理整数解 (u, v) を
持つとする。

u と v が互いに素なとき (u, v) を k = f(x, y) の原始解と呼ぶ。

368 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 18:23:17
命題(Gauss の 数論考究の art. 154)
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
k を有理整数で
k = ax^2 + bxy + cy^2 が原始解(>>367)をもつなら
D は mod 4k で平方剰余である。

証明
(p, q) を原始解とする。
k = ap^2 + bpr + cr^2 である。
p と q は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, r がある。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2
に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して
f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2 とする。

>>280 より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2
である。

>>281 より D = l^2 - 4km だから

l^2 ≡ D (mod 4k) となり
D は mod 4k で平方剰余である。
証明終

369 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 20:50:55
訂正

>>368
>(p, q) を原始解とする。
>k = ap^2 + bpr + cr^2 である。
>p と q は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, r がある。

>(p, r) を原始解とする。
>k = ap^2 + bpr + cr^2 である。
>p と r は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, q がある。

370 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 21:26:30
命題
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と
g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2 があり、

変換

x = pu + qv
y = ru + sv

により

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv)

とする。

ここで p, q, r, s は ps - qr = 1 となる有理整数である。

有理整数 M に対して

M = ax^2 + bxy + cy^2 が有理整数解 (X, Y) をもつことと
M = ku^2 + luv + mv^2 が有理整数解 (U, V) をもつことは同値である。

ここで

X = pU + qV
Y = rU + sV

である。

証明
明らかである。

371 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 21:33:44
>>370 において、M = k とすると、

k = ku^2 + luv + mv^2 は自明な解 (1, 0) を持つ。
よって >>370 より

k = ax^2 + bxy + cy^2 は解 (p, r) を持つ。

これが >>368 の証明で使った原理である。

372 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 11:55:12
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1162122603/916
です。
あちらのスレでは回答が部分的にも全く得られないままに終了してしまいました。
こちらでも同じ質問をして良いでしょうか?

373 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 13:19:33
>372無
は、ひょっとして無限次Gaolis群の話だろうか?
あの手の群を定義から直接計算するのは不可能に近いんじゃなかろうか?
TateとかSerreを見ると、「Golois Cohomologyを計算して
その副産物として得られる」という論法が多いようだが?

374 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 13:40:25
>>373
あちらでも紹介した参考書以外に
Edited by Y, Ihara, K.Ribet, J-. P. Serre, Galois Groups over Q, Springer
などを仮定した上でもダメでしょうか?
ここには有名な Mazur のガロア表現の変形の論文も載っています。

375 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 13:49:20
>>373
typo多すぎだろww常識的に考えて

376 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 13:52:30
よくあること。


377 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 20:43:09
>>375

イタイな
2chでどうでもいいtypo指摘とは



378 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/25(月) 21:28:09
>>345

Scharlau の本も n 次2次形式について述べたもので2元2次形式に
特化したものではないようです。

2元2次形式に特化したものとしては Buell(1989) があります。
この本の前書きによると Mathews の Theory of numbers(1896)
を参考にしたそうです。1896 というのはタイプミスではありません。
つまり約100年前の本です。

Flath の Introduction to Number Theory(1988) は2元2次形式に
関してよく書けているそうです。

379 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 21:32:10
しかしKummerのおっちゃんよ、今の世の中Kummerのやった類体論とかはもう
完成されてるとみなされて岩澤理論が絶好調なんだよ。
Kummerのむかしの研究をフォローするのをやめてBSD予想とか解いたら?

380 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/26(火) 09:12:12
>>379
>今の世の中Kummerのやった類体論とかはもう完成されてるとみなされて

類体論をやったのは Kummer ではないです。
それに、類体論を未完成だと言ってる人は、私の知る限りいないです。
このスレは、50年以上前に完成された古い理論についてのスレだと
前スレに断ってあります。

前スレ3:
780 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/10(金) 09:36:08
勘違いしてる人がいるかもしれないので言っておくが、
このシリ−ズで扱う予定の題材は約50年前には完成されていたもの。
ほとんどは100年以上前に発見されていた。
この場で俺自身の研究なり独自の視点を発表しようなんて考えは
まったくない。

独自性があるとしたらアプローチの仕方、題材の取捨選択など。
わずかだがオリジナルな証明もあるかもしれない(実際、既にある)。

なお、このシリ−ズを書く一番の理由は俺自身の勉強のため。
他の理由もあるが、それらは2次的なもの。

381 :132人目の素数さん:2006/12/26(火) 14:35:10
>380
> 類体論を未完成だと言ってる
揚げ足取りじゃなくて、Langlands Programに 
Non-Abelian Calss Field Theory ってのがなかったっけ?

382 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/26(火) 16:33:14
>>381

通常、類体論といえば数体のアーベル拡大体論のことをさす。
そしてこの意味の類体論は完成しています。

非可換の場合への拡張を話題にするときは必ず「非可換」をつけます。

っていうか、そんなことより問題解いてよ。
なんか話がすぐ舞い上がるから困るんだけど。
地道に行きましょうよ。

383 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/26(火) 19:16:37
訂正

>>382
>通常、類体論といえば数体のアーベル拡大体論のことをさす。

通常、類体論といえば大域体と局所体のアーベル拡大についての理論をさす。

384 :天ノ川 創:2006/12/26(火) 19:18:52


385 :132人目の素数さん:2006/12/26(火) 20:43:52
>>Kummerさん

うちの大学の教授も代数的数論をやってるみたいだけど、
論文はさっぱりわかりません。大体でいいので、こういう論文を読めるまでには
どういった知識が必要か教えていただけませんか?

http://www.math.ucsb.edu/~agboola/papers/papers.html

特に一番最近の論文について知りたいのですが。

ちなみに私はMasterの学生で、初等数論の知識を少し知ってるくらい。

386 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/26(火) 21:16:18
前にも書きましたが、基本的に質問はこのスレで私が書いたものに
対してのみとさせていただいてます。
ただし、書いたものといっても雑談に類するものは除きます。

387 :132人目の素数さん:2006/12/27(水) 11:51:57
>374
此処↓で待っていたら?  Kさんが来るかもしれないよ。
h ttp://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1167112175/l50

388 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 21:10:42
ここで、今までにも何度か引用 (例えば >>199, >>214) した
G-集合 (G-set) についての基本を整理しておく。

定義
G を群とし S を集合とする。
G から Aut(S) への準同型 f : G → Aut(S) が与えられたとき、
S を 左 G-集合と呼ぶ。
このとき G は S に左から作用するという。
ここで Aut(S) は S の自己全単射のなす群である。

------------------------------------------------------

g ∈ G と x ∈ S に対して gx = f(g)(x) と定義することにより
写像 G × S → S が得られる。
このとき、以下の (1) と (2) が成り立つ。

(1) ex = e が任意の x ∈ S に対して成り立つ。
ここで e は G の単位元である。

(2) g(hx) = (gh)x が任意の g, h ∈ G と x ∈ S に対して成り立つ。

逆に (1) と (2) を満たす写像 G × S → S が与えられれば、
S は、左 G-集合となる。

G から Aut(S)^op への準同型 f : G → Aut(S)^op が与えられたとき、
S を 右 G-集合と呼ぶ。
ここで Aut(S)^op は Aut(S) の乗法の順序を反対に定義して得られる
群である。

通常、G-集合という場合、特に断らなければ左 G-集合を意味する。

389 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 21:42:43
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

任意の x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G があるとき
G は S に推移的に作用するという。

互いに相異なる n 個の S の元 x_1, ..., x_n と
互いに相異なる n 個の S の元 y_1, ..., y_n に対して

g(x_i) = y_i が各 i, 1 ≦ i ≦ n で成り立つような g ∈ G があるとき、

G は S に n-推移的に作用するという。

そのような g が唯一個だけ存在するとき G は、n - 強推移的に
作用するという。

標準射 (>>388) G → Aut(S) が単射のとき G は S に
忠実(または効果的)に作用するという。

x ∈ S に対して gx = x なら g = e となるとき
G は S に自由に作用するという。

G が S に推移的かつ自由に作用するとき、G は正則に作用するという。
これは 任意の x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G が
唯一個だけ存在することと同値である。
このとき S は G の主等質空間とみなせる。

390 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 21:53:45
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G があるとき
x と y は同値と定義とすることにより S の同値関係が得られる。
この同値類を左 G-集合 S の軌道とよぶ。

x ∈ S に対して、x を含む軌道を x の軌道という。

x の軌道は { gx ; g ∈ G } である。

S の軌道全体の集合を S/G と書き、S の G の作用による商集合と呼ぶ。
S/G は、また軌道空間ともいう。

391 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 21:59:28
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

S の部分集合 T に対して GT = {gx ; g ∈ G, x ∈ T } と書く。

GT ⊂ T のとき T を G-不変な部分集合という。

392 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 22:07:06
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

x ∈ S に対して G_x = { g ; gx = g } と書き、x の安定化部分群
(または等方性部分群)と呼ぶ。

393 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 22:20:17
命題
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。
x ∈ S に対して H を x の安定化部分群 (>>392) とする。

gH に gx を対応させることにより G の H による左剰余類の
集合 G/H から x の軌道 Gx への全単射が得られる。

証明
簡単だし良く知られているので省略。
証明を知らない読者には演習問題とする。

394 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 22:25:55
命題
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。
x ∈ S に対して H を x の安定化部分群 (>>392) とする。

[G : H] が有限なら |Gx| = [G : H] である。

さらに |H| が有限なら |Gx| = |G|/|H| である。

証明
>>393 から明らか。

395 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 00:27:14
補題
G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。
g ∈ G に対して X_g = { x ∈ X ; gx = x } とおき、
x ∈ X に対して G_x を x の安定化部分群 (>>392) とする。

このとき、Σ |X_g| = Σ |G_x| である。

ここで、左辺の g は全ての G の元 g を動き、
右辺の x は全ての X の元 x を動く。

証明
W = { (g, x) ∈ G × X ; gx = x } とおく。

写像 λ : W → G を λ(g, x) = g で、
写像 μ : W → X を μ(g, x) = x で、それぞれ定義する。

W = ∪ λ^(-1)(g) である。ここで g は G の元全体を動く。
g と h を G の異なる2元とすれば λ^(-1)(g) と λ^(-1)(h) は
交わらない。
したがって、

|W| = Σ |λ^(-1)(g)| である。

同様にして

|W| = Σ |μ^(-1)(x)| である。

一方、|λ^(-1)(g)| = |X_g| であり、|μ^(-1)(x)| = |G_x| である。

よって |W| = Σ |X_g| = Σ |G_x| である。
証明終

396 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 00:31:27
訂正

>>395
>G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。

G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。
さらに G と X は有限集合とする。

397 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 00:57:47
命題(Burnside の補題)
G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。
さらに G と X は有限集合とする。
このとき

|X/G| = (1/|G|)Σ|X_g|

となる。
ここで、X/G は S の軌道空間 (>>390) であり、
右辺の和は G の元 g 全体を動き、
X_g = { x ∈ X ; gx = x } である。

証明
>>395 より。

Σ |X_g| = Σ |G_x|

一方、>>394 より |G_x| = |G|/|Gx|
よって

Σ |X_g| = Σ |G|/|Gx|

(1/|G|)Σ |X_g| = Σ 1/|Gx|

一方、Σ 1/|Gx| = Σ (Σ (1/|α|))

ここで右辺の外側の和は G の軌道(>>390) α 全体を動き、
内側の和は α の元 x 全体を動く。
よって、

Σ (Σ (1/|α|)) = Σ |α|(1/|α|) = Σ 1 = |X/G| である。
証明終

398 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 01:00:34
訂正

>>397
>ここで、X/G は S の軌道空間 (>>390) であり、

ここで、X/G は X の軌道空間 (>>390) であり、

399 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 01:18:21
定義
X と Y を G-集合 (>>388) とする。

X から Y への写像 f : X → Y があり、
f(σx) = σ(f(x)) が任意の σ ∈ G と任意の x ∈ X に対して
成り立つとき f を G-集合としての射という。

さらに G-集合としての射 g : Y → X があり
gf = 1 かつ fg = 1 となるとき f は同型射と呼ぶ。

このとき X と Y は G-集合として同型であるという。

400 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 01:19:03
>>388 以降の G-集合に関する記述は
英語版 Wikipedia の記事 Group action を参考にした。

401 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 04:46:16
判別式が平方数でない2次形式 (a, b, c)
(この記法に関しては >>328 を参照) 全体の集合を Ω とする。

ここで平方数とは集合 { x^2 ; x ∈ Z } = { 0, 1, 4, 9, ... }
の元のことである。
したがって (a, b, c) ∈ Ω なら b^2 - 4ac ≠ 0 であり、
ac ≠ 0 である。

(a, b, c) ∈ Ω と σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して、
(a, b, c)σ = (k, l, m) と定義する。

ここで、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおいたとき、
ku^2 + luv + mv^2 = f(pu + qv, ru + sv) である。

即ち

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

である(>>280)。

402 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 05:03:40
命題
>>401 の記法で f = (a, b, c) ∈ Ω、σ ∈ SL_2(Z)、τ ∈ SL_2(Z)
に対して、 (fσ)τ = f(στ) である。

証明
2次形式 f = (a, b, c) に対称行列 M = (a, b/2)/(b/2, c) を
対応させる。

>>277 より fσ には (σ^t)Mσ が対応する。

よって (fσ)τ には (τ^t)(σ^t)Mστ が対応する。
(τ^t)(σ^t)Mστ = (στ)^tMστ だから
fσ)τ = f(στ) である。

証明終

403 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 05:09:15
>>401 の記法で f = (a, b, c) ∈ Ω と SL_2(Z) の単位元 e
に対して、 fe= f だから >>402 より Ω は右 SL_2(Z)-集合(>>388)
である。

404 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 01:32:39
命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値 (>>293)
かつ原始的 (>>279) な2次形式とする。
f に (-b + √D)/2a を対応させることにより、

判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式と、複素上半平面にある
判別式 D の2次無理数(>>276)とは1対1に対応する。

証明
>>324 の証明と同様である。

405 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 02:12:00
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式の集合を PF(D) と書く。
複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) と書く。

>>403, >>282, >>297 より PF(D) は、右 SL_2(Z)-集合(>>388)
である。

>>286 より HQ(D) は、左 SL_2(Z)-集合(>>388)である。

写像 φ : PF(D) → HQ(D) を >>324 の証明と同様に定義する。

>>404 より φ は全単射である。

f ∈ PF(D) と σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して

fσ = g、φ(f) = θ とおく。

>>325 と同様にして φ(g) = σ^(-1)θ

よって φ(fσ) = σ^(-1)φ(f)
よって φ(fσ^(-1)) = σφ(f)

σf = fσ^(-1) と定義すれば PF(D) は、左 SL_2(Z)-集合になる。
上記から φ は 左 SL_2(Z)-集合としての同型射(>>399)である。

406 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 10:55:49
判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式の集合を PF(D) とする。
>>405 より PF(D) は 右 SL_2(Z)-集合(>>388) である。
軌道空間 (>>390) PF(D)/SL_2(Z) を F+(D) と書く。

複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) とする。
>>405 より HQ(D) は 左 SL_2(Z)-集合(>>388) である。
軌道空間 (>>390) HQ(D)/SL_2(Z) を H(D) と書く。

>>405 より PF(D) は左 SL_2(Z)-集合にもなる。
左 SL_2(Z)-集合としての PF(D) の軌道空間は、明らかに F+(D) と
一致する。

>>405 より φ : PF(D) → HQ(D) は、左 SL_2(Z)-集合としての
同型射である。

したがって、φ は全単射 F+(D) → H(D) を誘導する。

D が虚2次体の判別式と一致するとき、この写像は >>311 で定義した
Ψ+ と一致する。

したがって、 D が虚2次体の判別式と一致しない場合も
この写像を Ψ+ と書くことにする。

407 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:02:54
>>320 と同様に次の定義をする。

定義
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

G を >>253 で定義した集合とする。
つまり

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }

(-b + √D)/2a が G に属すとき f(x, y) を簡約2次形式と呼ぶ。

408 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:06:32
命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

f(x, y) が簡約2次形式 (>>407) であるためには

|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

409 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:15:30
定義
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

[D] を >>253 で定義した集合とする。
つまり
[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

(-b + √D)/2a が [D] に属すとき f(x, y) を広義の簡約2次形式と呼ぶ。

410 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:18:50
>>334 と同様に次の命題が成り立つ。
証明もまったく同じである。

命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

f(x, y) が広義の簡約2次形式 (>>409) であるためには

|b| ≦ a ≦ c となることが必要十分である。

411 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:28:36
明らかに、>>326, >>328, >>329, >>330, >>335, >>336, >>337 は、
D が負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) の場合もそのまま
成り立つ。

412 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:35:35
>>339 と同様に次の命題が成り立つ。
証明もまったく同じである。

命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

F+(D) (>>406) の元の個数は有限であり、判別式 D の簡約2次形式
(>>407) の個数と一致する。

413 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 23:16:51
定義
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
h(D) = |F+(D)| と書く。

D が虚2次体 Q(√m) の判別式のときは、
>>314 より |F+(D)| は Q(√m) の類数と一致する。
したがって上の h(D) の定義は >>316 の定義の拡張になっている。

414 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 23:32:44
D = -180 のとき h(D) を計算しよう。
>>413 より h(D) は判別式 D の簡約2次形式 (>>407) の個数と
一致する。

>>408 より (a, b. c) が簡約2次形式 (>>407) であるためには、

gcd(a, b, c) = 1 かつ、
|b| ≦ a ≦ c であり、 |b| = a または a = c のときは b ≧ 0 と
なることが必要十分である。

>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) である。

√(|D|/3) = √60 だから a ≦ 7 となる。
a > 0 だから 1 ≦ a ≦ 7 である。

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 180

したがって、b は偶数でなければならない。

415 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 23:34:34
>>414 の続き

0^2 + 180 = 4・3・3・5
2^2 + 180 = 184 = 4・46 = 4・2・23
4^2 + 180 = 196 = 4・49 = 4・7・7
6^2 + 216 = 4・54 = 4・2・3^3

より gcd(a, b, c) = 1 に注意して、

------------------------------------------------------------
a = 1 のとき |b| = 0、c = 45、(1, 0, 45)
------------------------------------------------------------
a = 2 のとき |b| = 2、c = 23、(2, 2, 23)
------------------------------------------------------------
a = 3 は無い
------------------------------------------------------------
a = 4 は無い
------------------------------------------------------------
a = 5 のとき |b| = 0、c = 9、(5, 0, 9)
------------------------------------------------------------
a = 6 は無い
------------------------------------------------------------
a = 7 のとき |b| = 4、c = 7、(7, 4, 7)
------------------------------------------------------------

よって h(D) = 4 である。

416 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 23:39:22
訂正

>>415
>6^2 + 216 = 4・54 = 4・2・3^3

6^2 + 180 = 216 = 4・54 = 4・2・3^3

417 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 10:56:43
補題
D を平方数でない有理整数とすると、D = (f^2)c と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり、
c は平方因子を持たない有理整数で、c ≠ 1 である。

証明
D の素因数分解を考えれば明らかである。

418 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 11:02:47
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
このとき、D = (f^2)d と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の
判別式である。

証明
D ≡ 0 (mod 4) なら、D/4 に >>417 を適用して D = 4(g^2)m となる。
ここで g は有理整数 g > 0 であり、
m ≠ 1 は平方因子を持たない有理整数である。

m ≡ 1, 2, 3 (mod 4) であるが m ≡ 1 (mod 4) なら
m は2次体 Q(√m) の判別式である。
この場合、f = 2g, d = m とすればよい。

m ≡ 2, 3 (mod 4) なら、4m は2次体 Q(√m) の判別式である。
この場合、f = g, d = 4m とすればよい。

D ≡ 1 (mod 4) なら、D に >>417 を適用して D = (f^2)m となる。
f^2 ≡ 0 または 1 (mod 4) だが f^2 ≡ 0 (mod 4) なら
D ≡ 0 (mod 4) となるから f^2 ≡ 1 (mod 4) である。
したがって D ≡ m (mod 4) となり、m ≡ 1 (mod 4) である。
よって m は 2次体 Q(√m) の判別式である。
証明終

419 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 11:28:44
>>287 と同様のことを一般の2次の無理数の場合に考える。
θ を判別式 D の2次の無理数 (>>284) とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。
さらに a > 0 とする。

D = b^2 - 4ac である。
D ≡ b^2 (mod 4) だから D ≡ 0 または 1 (mod 4) である。
D は勿論平方数ではない(平方数なら θ は有理数となる)。
よって >>418 より D = (f^2)d と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の
判別式である。

θ = (-b ± √D)/2a であるが θ = (-b + √D)/2a と仮定する。

a(aθ^2 + bθ + c) = a^2θ^2 + abθ + ac = 0
だから
(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0

よって aθ は代数的整数である。
aθ = (-b + √D)/2 = (-b + f√d)/2 だから aθ ∈ Q(√m) である。

m ≡ 1 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b - f + f(1 + √m))/2 = (-b - f)/2 + fω

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b + 2f√m)/2 = -b/2 + fω

いずれの場合でも aθ = r + fω の形である。
r = aθ - fω は有理数で代数的整数でもあるから、有理整数である
(前スレ3の158より有理整数環は整閉である)。

420 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 11:33:45
>>419 の続き

ここで R = [1, fω] を考える。
(fω)^2 = (f^2)ω^2 ⊂ (f^2)[1, ω] ⊂ [1, fω]
よって (fω)R ⊂ R である。
よって RR ⊂ R である。
したがって R は Q(√m) の整数環 [1, ω] の部分環である。

421 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 11:38:32
定義
2次体 Q(√m) の 部分環 R でその加法群が階数2の自由アーベル
であるものを Q(√m) の整環 (order) と呼ぶ。

422 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 12:06:04
命題
2次体 Q(√m) の整環 (>>421) は Q(√m) の整数環の部分環である。

証明
前スレ1の 505 から明らかだが、改めて証明する。

R を Q(√m) の整環とする。
R のアーベル群としての基底を α, β とする。
つまり R = [α, β] とする。
γ ∈ R なら

γα = aα + bβ
γβ = cα + dβ

となる有理整数 a, b, c, d がある。

(γ - a)α - bβ = 0
-cα + (γ - d)β = 0

よって、係数の行列式は 0 である。
即ち (γ - a)(γ - d) - bc = 0

よって γ は代数的整数である。
よって γ は Q(√m) の整数環に含まれる。
証明終

423 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 12:34:13
前スレ3の 988より R = [a, b + cω] と書ける。
ここで a > 0、c > 0 である。

1 ∈ R だから a = 1 である。
したがって、R = [1, b + cω] = [1, cω]

よって アーベル群としての剰余類群 [1, ω]/R の位数は c である。
c を R の導手 (conductor) という。

R の導手は、通常ドイツ語の fuhrer の頭文字をとって f で
表す場合が多い。

424 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 12:45:14
定義
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] に対して、
fω の判別式 (>>276) を R の判別式という。

425 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 12:50:01
命題
2次体 Q(√m) の整環 R の判別式 (>>424) は (f^2)D である。
ここで f は R の導手 (>>423) であり、D は Q(√m) の判別式である。

証明
fω の判別式は (fω - fω ')^2 = (f^2)(ω - ω ')^2 = (f^2)D
である。

証明終

426 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/03(水) 16:00:16
2次体 Q(√m) の整環 (>>421) R = [1, fω] のイデアル論について述べる。
このスレの初めのほうで述べた整数環 Z[ω] のイデアル論と同様の部分が
多い。

補題
a, b, c, e, f を有理整数とし、a > 0, c > 0, f > 0 とする
2次体 Q(√m) において
[a, b + cfω] = [a, e + cfω]
であるためには b ≡ e (mod a) が必要十分である。

証明
>>34 の証明と同様。

427 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/03(水) 16:07:05
命題
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の任意のイデアル I ≠ 0 は
I = [a, b + cfω] と一意に書ける。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。

証明
I = [a, b + cfω], a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 と一意に書ける
ことは >>14 の証明と同様である。

afω ∈ I だから a は c で割れる。

m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。

(b + cfω)fω = bfω + c(f^2)ω^2
= bfω + c(f^2)ω - c(f^2)(1 - m)/4
= (b + cf)fω - c(f^2)(1 - m)/4 ∈ I

よって b + cf ≡ 0 (mod c) となる。
よって b ≡ 0 (mod c) となる。

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、
ω = √m であり、 ω^2 = m である。
よって
(b + cfω)fω = bfω + c(f^2)ω^2 = bfω + c(f^2)m ∈ I
よって b ≡ 0 (mod c) となる。
証明終

428 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/03(水) 16:10:31
定義
>>427 における a, b + cω をイデアル I の標準基底と呼ぶ。
ただし、必ずしも 0 ≦ b < a でなくてもよい。
この場合、>>426 より b は mod a で一意にきまる。

429 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/03(水) 16:14:57
>>428 の訂正

定義
>>427 における a, b + cfω を R のイデアル I の標準基底と呼ぶ。
ただし、必ずしも 0 ≦ b < a でなくてもよい。
この場合、>>426 より b は mod a で一意にきまる。

430 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/03(水) 16:20:21
定義
I = [a, b + cfω] を2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の
イデアル I の標準基底 (>>429) による表示とする。
c = 1 のとき I を原始イデアルという。

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